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#122【z/OSMF V2R3~3.1変更点】 「V9 PSWI」形式のServerPac導入時における新しいドライバー要件(z/OS PSWIに限定せず)

  

2022710日時点で、Shopzオーダー時に指定する導入方法として「CustomPac installation dialog」(従来型ServerPac)の選択肢が削除され、それ以降は、z/OSMFソフトウェア管理タスク(Software Management)とワークフローを用いて導入する新しいPSWI形式(ポータブル・ソフトウェア・インスタンス)のServerPacのみが使用可能になりました。

PSWIは、SWI(ソフトウェア・インスタンス: SMP/E CSITargetDLIB、非SMP/E管理)に含まれるデータセット群をアーカイブした一連のファイルで構成

この変更は、z/OSCICSDb2IMSなどをはじめ、Shopzでオーダーする全てのIBM Zソフトウェア製品のServerPacに適用されるため、「z/OSMF」稼働が各種ServerPac導入の前提となります。

z/OSでは、2021930日利用開始の「z/OS V2R5」以降、PSWI形式のServerPacが提供されています。「z/OS V2R5」の場合、オーダー時期によっては従来型ServerPacも使用可能でしたが、2023929日に利用開始を迎えた最新の「z/OS 3.1」では、PSWI形式のServerPac導入が必須となります。

※ドライバー・システムにおける「z/OSMF」稼働が前提

PSWI ServerPacの制約事項】

■従来、GIMZIP/GIMUNZIP処理では、DFSMSdssDUMP/RESTOREコマンドにてzFSデータセットを処理(アーカイブ/抽出)するため、サイズが4GBを超えるzFSソース・データセット(拡張フォーマット)は、SMS管理のターゲット・データセットとして作成する必要があります。

DFSMSdss RESTOREコマンドは、SMS管理のソース・データセットを非SMS管理のターゲット・データセットに変換不可

DFSMSdss RESTOREコマンドでは「DATACLAS」指定がサポートされていないため、zFSデータセットに対する「ARCHDEF」ステートメント(GIMUNZIPジョブ)の「DATACLAS」パラメータ指定は有効になりません。

【新機能】

■従来の制約を解消するため、zFSデータセットのGIMZIP/GIMUNZIP処理では、DFSMSdssDUMP/RESTOREコマンドに代わり、z/OS USSにて提供されるpaxコマンドを使用するように変わりました。

zFSデータセットの大きさ(「4GB超え」かどうか)には依存せず、paxコマンドによるディレクトリー構造のアーカイブ処理

■この新機能は、z/OSMF APAR PH56073PTF対象: z/OS V2R43.1)にて出荷され、202312月以降、IBMが提供する全てのPSWIは、該当PTF適用済のz/OSMF環境(ソフトウェア管理タスク)にて作成されています。

Shopzでオーダー可能な製品種別やリリース・レベルには依存せず

https://www.ibm.com/support/pages/apar/PH56073

PH56073レベルのソフトウェア管理タスクで作成されたPSWIに、新しい方法(paxコマンド)でアーカイブされたzFSデータセットが含まれる場合、そのPSWIは「V9」(version 9)を示します。

zFSデータセットを全く含まないPSWIは「V9」になりません

z/OSPSWIにはzFSデータセットが含まれるため、「IZUD00DF.json」(PSWI descriptor file)の先頭部分は「V9」を表示(下記例)

【「V9 PSWI」の変更点①②】

■「デプロイメントの構成」(Configure Deployment)ウィザードの「データ・セット」(Data Sets)ページにて、次のような新機能が提供されました。

①「データ・セット」(Data Sets)テーブルのカラムとして「ターゲット・データ・クラス」(Target Data Class)が新規追加され、ターゲットzFSデータセット作成時に「DATACLAS」が使用可能

※「4GB超え」のzFSデータセットをサポート ・・・ EFExtented Format)、EAExtended Addressability)属性がアサイン可能

②「データ・セット」(Data Sets)テーブルで、「ターゲット・ストレージ・クラス」(Target Storage Class)指定から「ターゲット・ボリューム」(Target Volume)指定に変更することで、SMS管理のソースzFSデータセットを非SMS管理のターゲットzFSデータセットへ変換可能

■新機能①、②を組み合わせて利用すれば、「4GB超え」のターゲットzFSデータセットを非SMS管理として作成することも可能です。(EF属性なし/EA属性あり)

※「DATACLAS」指定 ・・・ 「Data Set Name TypeEXTを指定せずにブランク)」、「If Ext(ブランク)」、「Extended AddressabilityY)」、「RecorgLS)」

※改善要望に対するソリューション提供

https://ibm-z-hardware-and-operating-systems.ideas.ibm.com/ideas/ZOS-I-2832

【「V9 PSWI」の変更点③】

■従来、PSWI形式のServerPacを導入するドライバー・システムでは、IBMから提供されたソース・データセット(CB.OS*.**CB.ST*.**)を保護するRACF DATASETクラスのプロファイルを作成し、かつ、該当プロファイルへのREADアクセス許可を持つユーザーにて、GIMUNZIPジョブを実行する必要があります。

RACF DATASET クラスのプロファイルが存在しない場合は、DFSMSdss RESTORE処理が失敗

■「V9 PSWI」では、DFSMSdss DUMPコマンドによるzFSデータセットのアーカイブ処理がもはや行われないため、「CB.**」データセットを保護するプロファイルの作成、及び、READアクセス許可が不要になりました。

【考慮事項】

z/OSに限らず、「V9 PSWI」形式のServerPac導入(デプロイ)を可能とするには、z/OSMF APAR PH56073PTF適用が必要です。(対象: z/OS V2R43.1

※ドライバー・システム要件(前提PTF)として、FIXCATIBM.DrivingSystem-RequiredService)には登録済

■「V9 PSWI」形式のz/OS 3.1、あるいは、z/OS V2R5 ServerPacを導入する際、ドライバー・システムに必要となるメンテナンスは下表の通りです。

2024216日現在、z/OS V2R3向けのAPAR PH59394はオープン中 ➡ 2024/03/20付で使用可能

➡ 「V9 PSWI」形式のz/OS V2R5 ServerPacを導入するには、z/OS V2R3ドライバーの代替として「COD」も利用可能(Customized Offering Driver)・・・ CODz/OS V2R4ベース)には、APAR PH56073の修正策が適用済 ➡ 2024/01/17時点で使用可能

■ドライバー・システムに前提PTFが未適用の環境では、例えば「ローカル・ワークステーションからポータブル・ソフトウェア・インスタンスを追加」(Adding portable software instances from a local workstation)する処理でエラーが発生します。(IZUD277E

【追加情報: 2024/04/08】

■z/OSMF V2R3 APAR PH59394のPTF UI96012は、2024/03/20付で使用可能になりました。

■「V9 PSWI」形式のServerPac導入(デプロイ)を可能とする「COD」(Customized Offering Driver)は、2024/01/17時点で使用可能になりました。

Upgrade CUSTOMDRIVER, Subset JAN2024

https://www.ibm.com/support/pages/node/7107043

2. 24/01/17

To All Customers who have downloaded the z/OS 3.1 or z/OS 2.5 order after 02-Dec-2023:

Since 02-Dec-2023, z/OS Portable Software Instance packages(PSWI) are created using the latest Software Management Level of z/OSMF. To Deploy PSWI package(s), you will need               Customized Offerings Driver (COD) updated to meet the latest Driving system requirements. Deployment using earlier COD will fail with compatibility error when you create a new               Deployment. The new updated COD is now available. Please acquire and use the latest COD before you start deploying your order.

 

 

以上