従来、実行中ジョブ・ステップのMEMLIMIT値として「NOLIMIT」指定が有効な場合、SDSF DA、ASパネルの「MemLimit」カラムでは「16383PB」を示しますが、「MEMLIMIT=16383P」パラメータの明示指定とは区別ができません。
また、有効化されたMEMLIMIT値の指定場所を示す情報が出力されないため、問題判別に影響を与える可能性があります。
※SMFタイプ30レコード(Storage and Paging Section)では、「SMF30MEM」(MB単位のMEMLIMIT値)、 「SMF30MES」(有効化されたMEMLIMIT値の指定場所)、「SMF30SLM」(SMFLIMxxメンバーによる指定状況)各フィールドにて情報記録
※RSM APAR OA63030(z/OS V2R4、V2R5)以降では、SVCダンプ、スタンドアローン・ダンプ、トランザクション・ダンプ(TDUMP)を対象として、IPCSの「RSMDATA HIGHVIRT」サブコマンド実行時に出力される「RSM HIGH VIRTUAL PAGE REPORT」が拡張され、有効化されたMEMLIMIT値の指定場所を表示(MEMLIMIT Source)
【z/OS 3.1の変更点①】
■z/OS 3.1 SDSFでは、SDSF DA、ASパネルの「MemLimit」カラム表示が、次のように変更されました。
①MEMLIMIT値として「NOLIMIT」指定が有効な場合、従来の「16383PB」ではなく「NOLIMIT」を表示
②MEMLIMIT値として「0(ゼロ)」指定が有効な場合、従来の「ブランク」ではなく「0(ゼロ)」を表示
(DAパネルの出力例)※ASパネルも同様
■同様な変更は、SDSF DA、ASパネルにて「SNAPSHOT」コマンド(z/OS V2R2新機能)実行時の出力結果にも適用されます。
※「SNAPSHOT SE」コマンドを使用すれば、EDIT/CREATE操作により、順次データセットや区分データセットのメンバーとしてコピー可能
【z/OS 3.1の変更点②】
■z/OS 3.1 SDSFでは、ASパネルにて「MemLimSrc」カラムが新規追加され、前述のSMFタイプ30レコードやIPCSレポートと同様に、有効化されたMEMLIMIT値の指定場所を表示します。
(ASパネルの出力例)
※「MemLimSrc」カラムの表示値(有効化されたMEMLIMIT値の指定場所)
・SMF: PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーの「MEMLIMIT」パラメータ指定
・REG0: JCLの「REGION=0M」指定
・JCL: JCLの「MEMLIMIT」パラメータ指定 ・・・ JOBステートメントに指定されたMEMLIMIT値は全てのステップに適用(各ステップのMEMLIMIT指定値は無視)
【考慮事項】
■z/OS 3.1の場合、実行中ジョブ・ステップに対してSDSF DA、ASパネルの「MemLimit」カラムで「16383PB」表示されるのは、「MEMLIMIT=16383P」パラメータ明示指定時に限られ、次のような場合は「NOLIMIT」を表示します。併せて、「MemLimSrc」カラムでは、有効化されたMEMLIMIT値の指定場所が表示されます。(事例①~⑤)
■実行中ジョブ・ステップのMEMLIMIT値として「0(ゼロ)」が有効な場合、z/OS 3.1では、従来の「ブランク」ではなく「0(ゼロ)」を表示すると共に、「MemLimSrc」カラムでは、有効化されたMEMLIMIT値の指定場所が表示されます。(事例⑥、⑦)
■z/OS 3.1では、SDSF DA、ASパネルの「MemLimit」カラムに対して、SORT、FILTERコマンドを実行する場合、「NOLIMIT」が「16383PB」として扱われます。
(DAパネルの出力例)
以上