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#117【z/OS V2R5/3.1変更点】 SDSF使用時に必要な 「64ビット私用域」(ユーザー、バッチ・ジョブ)

  

従来、SDSFでは、仮想記憶域の制限緩和を図るため、TSOISPF配下によらず、「64ビット・ストレージ」(私用域)を活用して、「タブラー・パネル」で表示されるジョブやアウトプット関連の行情報、「ULOG」パネルで使用されるバッファーなどをを保管しています。

※「64ビット・ストレージ」がMEMLIMIT指定値により制限されている環境では、パネル上にISF121Iメッセージを出力し、「31ビット・ストレージ」に切り替えて再試行

ISF121I Module ISFSM64 was unable to obtain 00000000_00002DC4 bytes of storage (1 segments). Check MEMLIMIT value.

z/OS V2R3以降では、ISPF配下でSDSFを稼働する場合、上記の挙動は変わらないものの、従来のメッセージ ISF121Iは出力されない

z/OS V2R5の変更点】

z/OS V2R5 SDSFでは、必要な「64ビット・ストレージ」(私用域)が確保できない場合、「31ビット・ストレージ」に切り替えて再試行するような挙動は必ずしも行われなくなりました。

※「64ビット・ストレージ」が制限されている環境ではSDSF使用不可

z/OS V2R53.1では、「MEMLIMIT=0M」指定時、あるいは、指定値が不足した場合の挙動が一部異なります。

z/OS 3.1では、エラー・メッセージ出力を伴いABENDDC4事象発生は回避

事例① ISPF配下、TSO配下とも、ユーザーの「MEMLIMIT=0M」指定が有効な場合、SDSFメニューが表示不可

V2R5

SDSFメニュー起動時にABENDDC4事象が発生(理由コード: 90040320)➡ IARST64RsnMemlimitZero

3.1

SDSFメニュー起動時にエラー・メッセージISF121Iを出力ABEND回避)

ISF121I Module HSFDSPXT was unable to obtain 1048576 bytes of storage (1 segment). Check MEMLIMIT value.

事例➁ ISPF配下でユーザーの「MEMLIMIT=1M」指定が有効な場合、第2セッションではSDSFメニューが表示不可(第1セッションは表示可)

V2R5

SDSFメニュー起動時にABENDDC4事象が発生(理由コード: 90040120)➡ IARST64RsnMemlimitExhausted

3.1

SDSFメニュー起動時にエラー・メッセージISF121Iを出力ABEND回避)

ISF121I Module HSFDSPXT was unable to obtain 1048576 bytes of storage (1 segment). Check MEMLIMIT value.

事例③ SDSFバッチ・ジョブ・ステップ(PGM=SDSF、PGM=ISFAFD)の「MEMLIMIT=0M」指定が有効な場合、SDSFメニューが表示不可(ISFOUT DD

V2R5

ABENDDC4事象が発生(理由コード: 90040320)➡ IARST64RsnMemlimitZero

3.1

エラー・メッセージISF121Iを出力し、CC00でステップ終了ABEND回避)

ISF121I Module HSFDSPXT was unable to obtain 1048576 bytes of storage (1 segment). Check MEMLIMIT value.

【考慮事項】

z/OS V2R5以降では、SDSFの使用形態(TSO/ISPF配下)によらず、また、SDSFバッチ・ジョブの稼働時も、「64ビット・ストレージ」(私用域)を使用可能にする必要があります。 

SDSFマニュアル記載のガイドライン

PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーの省略時解釈(MEMLIMIT(2G)パラメータ指定)が有効な場合は対応不要

MEMLIMITパラメータ値として「512MB」を下回る値が有効な場合は、指定値の増加を検討

PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーで有効化されたMEMLIMITパラメータ値は、TSOログオン・プロシージャーやバッチ・ジョブJCLEXEC/JOB)、さらに、SMF Exit IEFUSIPARMLIB(SMFLIMxx)メンバーにてオーバーライドされる可能性があります。

SDSFDAASパネルでは、「MemLimit」カラムにてMEMLIMIT値を表示

z/OS 3.1 SDSFASパネルでは、「MemLimSrc」新規カラムにてMEMLIMIT値の指定場所を表示

SMFタイプ30レコード(Storage and Paging Section)では、「SMF30MEM」(MB単位のMEMLIMIT値)、 「SMF30MES」(MEMLIMIT値の指定場所)、「SMF30SLM」(SMFLIMxxメンバーによる指定状況)各フィールドにて情報記録

以上