従来、PARMLIB(IEAOPTxx)メンバーの「CPENABLE」パラメータでは、I/O割り込みを処理する論理プロセッサーの数を動的に制御することが可能です。
「Test Pending Interrupts」(TPI)命令を介して処理されたI/O割り込みの割合①(TPI Ratio)を、「CPENABLE」パラメータ指定値②と比較し、①が②の範囲を超える場合、I/O割り込みを処理可能な論理プロセッサーが追加されます。また、①が②の範囲を下回る場合、I/O割り込みを処理可能な論理プロセッサー数が削減されます。
※「CPENABLE=(0,0)」パラメータ指定の場合(省略時値)は、全ての論理プロセッサーがI/O割り込み処理可能
【「CPENABLE」パラメータの推奨値】
■以前より、「CPENABLE」パラメータに関しては、稼働サーバーのモデルや環境に応じた推奨値があり、その値が変化してきた経緯があります。
※Techdocs: CPENABLE Recommendations for IBM Z and z/OS(z/OS CPENABLE Recommendations)
■上記のリンク先にある通り、「IBM z14」サーバー以降では、z/OS LPARにおいて「CPENABLE=(5,15)」パラメータ指定が推奨されています。
【z/OS 3.1の変更点】
■z/OS 3.1では、従来の「CPENABLE=(xxx,yyy)」パラメータ指定に加え、「CPENABLE=SYSTEM」パラメータが新しく指定可能になりました。
※省略時値は「CPENABLE=(0,0)」で従来と変わらず
■「CPENABLE=SYSTEM」パラメータを明示指定した場合、稼働サーバーに応じたIBMの推奨値が自動的に適用されます。
※「IBM z14」サーバー以降の場合: CPENABLE=(5,15) ➡ z/OS 3.1の稼働前提サーバーは「IBM z14」以降
※「IBM z13」サーバー以前の場合: CPENABLE=(10,30)
■「CPENABLE」パラメータ指定の推奨値に関する考え方は以前と変わりませんが、上記のような背景から、z/OS 3.1では、「CPENABLE=SYSTEM」パラメータ指定が推奨されます。
※z/OS V2R5までは、稼働サーバー毎のIBM推奨値を明示指定することを推奨
【考慮事項】
■「CPENABLE=SYSTEM」パラメータを明示指定した場合、RMF Monitor-II(RMFMON)の 「OPT SETTINGS」レポート出力結果では「SYSTEM」が指定値として表示されます。
※「IBM z16」サーバー環境の事例
■上記の場合(CPENABLE=SYSTEM)、「MVS初期設定およびチューニング解説書」マニュアルにも記載があるICT制御ブロック(SRM I/O Management Control Table)の下記フィールドには、IBM推奨値である「5」、「15」がそれぞれ記録されていました。
※ICCTPILO(LOW THRESHOLD FOR PERCENT TPI INTERRUPTS TIMES 100)
※ICCTPIHI(HIGH THRESHOLD FOR PERCENT TPI INTERRUPTS TIMES 100)
以上