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#104【z/OS V2R4/V2R5変更点】 「SYSTEM/SYSSTC」サービス・クラス使用時のワーニング・メッセージ出力(WLM ISPFアプリケーション)

  

従来、システム提供の「SYSTEM」、「SYSSTC」サービス・クラスには、次のような特徴があります。

SYSTEM」サービス・クラス

SYSSTC」サービス・クラス

ディスパッチング・プライオリティー(DP

固定(x’FF’ = 255

固定(x’FE’ = 254

主な用途

システム系のアドレス空間(*MASTER*など)

高プライオリティーのSTC

SRMの動的制御

対象外

対象外

ユーザーによる特定タスクへの割り当て

可能(OS/390 V2R4以降)

可能(OS/390 V2R4以降)

特記事項

サブシステム・タイプ 「STC」の省略時解釈   サービス・クラス

サブシステム・タイプ毎に指定可能な「省略時解釈のサービス・クラス」、あるいは、クラシフィケーション・ルールで「SYSTEM」、「SYSSTC」サービス・クラスを割り当てる場合、CPUインテンシブなワークが高ディスパッチング・プライオリティーにて稼働することで、大量のCPUサイクルを消費することを助長し、他の重要なワークに対するCPU遅延をもたらす可能性があります。

【機能変更点】

WLM APAR OA64269 ※対象: z/OS V2R4V2R5

WLM ISPFアプリケーション(WLM Administrative Application)が機能拡張され、「Utilities」アクション・バー「6. Validate definition」実行時に、「SYSTEM」、「SYSSTC」サービス・クラスの使用状況を確認し、「Service Definition Validation Results」パネルにてワーニング・メッセージを出力するようになりました。(エラー・メッセージではありません)

※「6. Validate definition」機能は、サービス定義のSAVE/INSTALL操作に影響を及ぼすようなエラー、および、ワーニングを検知

※エラー、ワーニングが検知されなかった場合

【「Validate definition」機能によるワーニング検知①】

■あるサブシステム・タイプの省略時解釈サービス・クラスとして、「SYSTEM」、あるいは、「SYSSTC」が指定されている場合(IWMAM903W)①

IWMAM903W  Service class <service class> specified as default service class for

           subsystem type <subsystem type>. All address spaces for which there is

           no service class defined, will be assigned service class <service class>.

           If this is not intended, a default service class should be

           specified for subsystem type <subsystem type>.

※①IWMAM903Wメッセージ内の赤字テキストは、正確には次のようなニュアンスになります

           If this is not intended, a default service class which is less

           important than <service class> should be specified for subsystem type

<subsystem type>.

■「SYSTEM」、「SYSSTC」以外を省略時解釈サービス・クラスとして指定 ➡ ①IWMAM903Wワーニング・メッセージ出力なし

【「Validate definition」機能によるワーニング検知②③】

■サブシステム・タイプ 「STC」に対して、省略時解釈のサービス・クラスが指定されていない場合(IWMAM902W)② ➡ 「SYSSTC」サービス・クラスをアサイン

IWMAM902W  No default service class specified for subsystem type STC.

           All started tasks for which there is no service class defined,

           will be assigned service class SYSSTC. If this is not intended,

           a default service class should be specified for subsystem type STC.

■あるサブシステム・タイプにおけるクラシフィケーション・ルールで、「SYSTEM」、あるいは、「SYSSTC」サービス・クラスが定義されている場合(IWMAM904I)③

IWMAM904I Service class <service class> assigned in classification rules for

          subsystem type <subsystem type>.

■「STC_MED」を「STC」の省略時解釈サービス・クラスとして指定 ➡ ②IWMAM902Wワーニング・メッセージ出力なし

■「SYSSTC」サービス・クラスをクラシフィケーション・ルールで定義 ➡ ③IWMAM904Iメッセージ出力あり

■③IWMAM904Iメッセージの検知例

【関連情報】

■同様な機能変更は、z/OSMFワークロード管理タスクにも提供されました。

z/OSMF APAR PH53033 ※対象: z/OS V2R4以降

■出力されるワーニング・メッセージ番号は下記のように異なりますが、メッセージ・テキストは同一です。

WLM APAR OA64269

z/OSMF APAR PH53033

IWMAM902W

IZUW621W

IWMAM903W

IZUW622W

IWMAM904I

IZUW623I

 

 

【追加情報: 2024/01/29】

 

Save」、「Save as」、「Install」操作時も同様なワーニング・メッセージが出力されます。

※例えば、「File」アクション・バーの「4. Save as」実行時にワーニング・メッセージが出力された場合、「F3=Exit」を押下したタイミングで「IWMAPDS」ポップアップが表示され、「Save」処理を続行することが可能です。

 

 

以上