IBM Z Japan - Group home

#098【z/OS V2R3/V2R4/V2R5変更点】 SMFダンプ処理のSYSINでUSER4/USER5パラメータ指定時の考慮事項

  

従来、「PGM=IFASMFDP」、「PGM=IFASMFDL」によるSMFダンプ処理を行う際、独自のExitルーチンを使用して、該当レコードを出力先に書き出さないことが可能です。
※Exitルーチン名の指定箇所
①SYSIN DDステートメント: 「USER1(name)」、「USER2(name)」パラメータ
②PARMLIB(SMFPRMxx)メンバー: 「SMFDPEXIT」、「SMFDLEXIT」パラメータ  (例) SMFDPEXIT(USER1(name))

【z/OS V2R3の変更点】

■z/OS V2R3以降では、「拡張ヘッダー」を持つSMFレコードをサポートしますが、前述の「USER1(name)」、「USER2(name)」パラメータにて指定されたExitルーチンは、「標準ヘッダー」のSMFレコードに対してのみ制御を受けます。
■「拡張ヘッダー」を持つSMFレコードも併せて処理対象とするには、z/OS V2R3で新規追加された「USER4(name)」、「USER5(name)」パラメータを使用して、Exitルーチン名を指定する必要があります。

【z/OS V2R5の変更点】

■「PGM=IFASMFDP」、「PGM=IFASMFDL」によるSMFダンプ処理を行う際、「SYSIN DD」ステートメントの「USER4(name)」、「USER5(name)」パラメータにて指定されたExitルーチン名は、PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーの、 「SMFDPEXIT」、「SMFDLEXIT」パラメータ(省略時値なし)にて明示指定(事前登録)する必要があります。
(例) SMFDPEXIT(USER4(name))
■事前登録しない場合、次のようなエラー・メッセージ出力を伴い、「PGM=IFASMFDP」、「PGM=IFASMFDL」が実行不可(RC08)となります。
     IFA840I USER EXIT xxxxxxxx NOT REGISTERED WITH SYSTEM
■同様な機能変更は、APAR OA60236でも行われました。(z/OS V2R3 PTF: UJ04541、z/OS V2R4 PTF: UJ04542)

【考慮事項】

■APAR OA60236のPTFが未適用のz/OS V2R3、V2R4環境で、USER4/USER5 Exitルーチンを既に使用している場合、z/OS V2R5へ移行時は、PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーへの明示指定(事前登録)が必要になります。
■z/OS V2R5への移行後、従来のUSER1/USER2 Exitルーチンに代わり、USER4/USER5 Exitルーチンを初めて導入する場合、PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーへの明示指定(事前登録)が必要になります。
■PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーでは、「RACF SMF Data Unload」ユーティリティー向けの省略時値(下記)を提供していますが、USER4/USER5 Exitルーチン名を新規登録する場合、これらの省略時値は影響を受けません。
SMFDLEXIT(USER2(IRRADU00),USER3(IRRADU86))
SMFDPEXIT(USER2(IRRADU00),USER3(IRRADU86))

【挙動変化の事例】

■PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーで、SMFDPEXIT(USER4(TESTPGM))パラメータ指定なしの場合

■PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーで、SMFDPEXIT(USER4(TESTPGM))パラメータ指定有無の比較(z/OS V2R5)

 
以上