z/OS V2R4 RMFモニター IIIでは「Sysplex Report」が機能拡張され、「暗号化機構」(Crypto Express: CEXn)に関する3種類のレポート(16~18)が新規提供されました。
【z/OS V2R4 RMFの変更点】
■z/OS V2R4では、RMFモニター IIIの「CRYPTO/NOCRYPTO」収集オプションが新規追加され、「暗号化機構」に関するパフォーマンス・データの収集有無を制御することが可能です。※省略時値: CRYPTO (データ収集を行う)
■RMFモニター III向け「SYS1.IBM.PARMLIB(ERBRMF04)」メンバーでは省略時値を指定するため、z/OS V2R4、V2R5では「CRYPTO」オプション(省略時値)が明示されています。
【考慮事項(z/OS V2R4 & V2R5)】
■「暗号化機構」をサーバー構成に含まない環境(未導入の環境)では、z/OS V2R4、V2R5の省略時値(CRYPTO)がPARMLIBメンバーにて有効な状態で、RMFモニター IIIを起動した際、次のような見慣れないエラー・メッセージが出力されます。
※この事象は意図したもので、エラ-・メッセージ(ERB292I)のマニュアル解説に追加される予定 ⇒ マニュアル記載に反映済(2023/04/03 追記)
■この結果、「暗号化機構」に関するデータ収集モジュール(ERB3GCRY/GRB3GCRY)は終了しますが、RMFモニター IIIのその他のデータ収集には影響ありません。
■このような稼働環境では、RMFモニター IIIが使用するPARMLIBメンバーにて「NOCRYPTO」オプションを明示指定することで、RMFGATアドレス空間起動時のエラ-・メッセージ出力(ERB292I)を回避することが可能です。
【RMFモニター Iとの挙動比較】
■従来、RMFモニター Iでは「CRYPTO/NOCRYPTO」セッション・オプション(省略時値: CRYPTO)を提供していますが、「暗号化機構」をサーバー構成に含まない環境(未導入の環境)で「CRYPTO」セッション・オプション(省略時値)を利用した場合でも、RMFモニター IIIとは異なり、セッション開始時には何らエラー・メッセージが出力されません。
■この背景・理由として、「CRYPTO」オプション(省略時値)が有効な場合は「暗号化機構」のみならず「ICSFサービス」関連の統計情報(パフォーマンス・データ)が取得され、モニター I・ポストプロセッサーによる「Crypto Hardware Activity」レポート出力に利用されていることが挙げられます。
以上