JES2の「BUFX」資源は、JES2管理の装置、「PCE」(CONVERTER、OUTPUT、PURGEプロセッサーなど)によるスプールI/O (Read/Write)時に必要となるバッファーで、JES2アドレス空間の「拡張私用域(EPVT)」 にて、バッファーあたり「4KB」を消費します。
【「BUFX」資源の制御】
■JES2PARMの「BUFDEF」ステートメント - 「EXTBUF」パラメータ
※LIMIT=nnnn: 「BUFX」資源の最大バッファー数 ・・・ 「LIMIT」パラメータ省略時値は、JES2マニュアル記載の方法にて算出(後述)
※WARN=nnn: 資源不足を示す$HASP050メッセージ出力の閾値% (0-100) (省略時値: 80%)
■「BUFX」資源に関する設定値、使用状況の確認(監視)方法
※②「$JDHISTORY」コマンド実行時の「BUFX」パラメータ省略時は全資源が対象になるため、大量のWTOメッセージ出力に要注意
■「BUFX」資源が閾値%を超えて使用中となった場合、$HASP050メッセージ(白色高輝度)にて資源不足の発生が報告されます。
$HASP050 JES2 RESOURCE SHORTAGE OF BUFX - 100% UTILIZATION REACHED
(解消時) $HASP055 JES2 Resource shortage of BUFX relieved
※資源不足の発生状況は「32秒」毎に確認されるため、発生した「BUFX」資源不足が既に解消している場合など、$HASP050メッセージ出力時点の使用率としては「0% UTILIZATION REACHED」を表示する可能性あり
■「BUFX」資源不足の発生時は、「$TBUFDEF,EXTBUF=(LIMIT=nnnn)」コマンドを利用して、「LIMIT」パラメータ値を増加することが可能です。
【z/OS V2R4 JES2の変更点】
■従来、JES2PARMの「BUFDEF」ステートメントで指定する「EXTBUF/LIMIT」パラメータに関しては、省略時値の算出方法がマニュアル記載されています。
■z/OS V2R4 JES2では、「EXTBUF/LIMIT」パラメータ省略時値の算出方法が変更され、「PCE」定義数(JES2PARM 「PCEDEF」ステートメント)に依存した追加バッファーが考慮されるようになりました。
※ 2022/07/26現在、z/OS V2R5マニュアル記載の更新対応中 ⇒ 対応済(2022/07/30 追記)
■z/OS V2R4以降で「EXTBUF/LIMIT」パラメータ省略時値を算出する際、JES2PARM 「PCEDEF」ステートメントで定義された「PCE」数(CONVERTER、OUTPUT、PURGE)、あるいは省略時値の「PCE」数に応じて、従来の計算式に「36(最小)」~「220(最大)」の範囲で値が上乗せされます。
■「EXTBUF/LIMIT」パラメータ省略時値が、「27」(z/OS V2R1)から「63」(z/OS V2R5)に増加した事例
※JES2PARMの「BUFDEF」ステートメントは明示指定なし(両環境とも)
※JES2PARMの「PCEDEF」ステートメントは、「①z/OS V1R10以前の省略時値」を明示指定(両環境とも)
【考慮事項】
■従来、「$TBUFDEF,EXTBUF=(LIMIT=nnnn)」コマンドにて、現行の「LIMIT」値を減らすことはサポートされていません。
■z/OS V2R4以降では、「$TBUFDEF,EXTBUF=(LIMIT=nnnn)」コマンド実行時に、z/OS V2R3以前と同様の「LIMIT」値を指定した際、エラー・メッセージ $HASP003 RC=(08)出力を伴い失敗する可能性があります。
※「$TBUFDEF」コマンドに指定されている「LIMIT」値よりも、z/OS V2R4以降で新しく算出された「LIMIT」パラメータ省略時値が大きい場合
【追加情報: 2022/07/30】
■関連マニュアルに対して、最新情報が反映されました。
■z/OS 2.5 JES2 Initialization and Tuning Reference (SA32-0992-50)
Summary of changes
Changed
July 2022 refresh
• Updated the default calculation of EXTBUF/LIMIT parameter. For more information, see "Parameter Description for BUFDEF" on page 96.
以上