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#070【z/OS V2R4/V2R5変更点】 JES2機能変更に伴うPSF関連の考慮事項(「BLNKTRNC」パラメータの扱い)

  

従来、JES2PARM OUTCLASS(x)ステートメントの「BLNKTRNC=YES/NO」パラメータ(省略時値: YES)は、その出力クラスの「非ページモード・データセット」(ラインモード・データセットなど)に対して、各レコードの「後続ブランク」を切り捨てた状態でスプールに書き出すかどうかを制御します。
※「YES」指定(省略時値)が有効な場合は「後続ブランク」を切り捨てるため、スプール・スペースの節約に効果あり

【機能変更点(z/OS V2R5 JES2)】
■従来、PSFプリンター(チャネル接続、SNA接続、TCP/IP接続)は、「FSS」(Functional SubSystem)配下の「FSA」(Functional Subsystem Application)として定義され、「FSI」(Functional Subsystem Interface)によるPSF/JES2のやり取りを通じて、スプールからの印刷レコードが受け渡されます。 ⇒ deferred-printing mode
■z/OS V2R3からV2R5へストレート移行する場合(「スプール圧縮・暗号化」新機能を利用しない場合)、「BLNKTRNC=YES」パラメータ(省略時値)が有効な出力クラスでは、JES2から「FSI」経由でPSFに渡される「非ページモード・データセット」の印刷レコードに関して、「後続ブランク」の扱いが次のように変更されました。
(z/OS V2R3 JES2) スプール上に存在する状態(「後続ブランク」は切り捨てた状態)が、そのまま印刷レコードとしてPSFに渡される
(z/OS V2R5 JES2) 「後続ブランク」を復元した状態(オリジナルのフル・レコード)が、印刷レコードとしてPSFに渡される(「後続ブランク」を含む)
※JES2スプール上では、z/OS V2R3、V2R5とも同様に、「後続ブランク」が切り捨てられます
■z/OS V2R4 JES2では、APAR OA58718、OA57466、OA58699 のPTF適用に伴い、同様な機能変更が行われました。
■「非ページモード・データセット」における「後続ブランク」の扱い(まとめ)
①JES2スプール上の状態 ・・・ 「スプール圧縮・暗号化」新機能を利用しない場合

②「FSI」経由で「FSS/FSA」(PSFなど)に渡される印刷レコード

(機能変更前)
・①、②いずれも、JES2PARM OUTCLASS(x)ステートメントの「BLNKTRNC=YES/NO」パラメータで制御
(機能変更後)
・①は従来通り、JES2PARM OUTCLASS(x)ステートメントの「BLNKTRNC=YES/NO」パラメータで制御
・②は、常に「BLNKTRNC=NO」の扱い ・・・ JES2PARM OUTCLASS(x)ステートメントの「BLNKTRNC=YES/NO」パラメータ指定によらない
■当変更に伴い、「FSI」経由で印刷レコードを受け取った「FSS/FSA」(プリンター)側が、例えば「ラインモード・データセット」における「後続ブランク」は切り捨てられている前提で処理を行っている場合、何らかの不具合発生の可能性があります。

【対応策】
■z/OS V2R5 JES2環境では、次のようなPSFの機能変更を適用することで、従来のような「非ページモード・データセット」における「後続ブランク」の切り捨て有無を、PSF側で制御することが可能になりました。
※PSF V4R6 APAR OA61005、PSF V4R7 APAR OA60960
■z/OS V2R4環境で同様な機能を利用するには、上記のPSF APARと併せて、次のようなJES2 APAR/PTFの適用が必要になります。
※JES2 APAR OA60528、APAR OA60605
■JES2 APAR OA60528にて掲載中の下記マニュアル変更点は、情報が一部不正確のため、今後更新される予定です。
※z/OS 2.5 MVS Using the Functional Subsystem Interface (SA38-0678-50)

【機能変更点(PSF関連)】
■PSF起動プロシージャーで、「EXEC PGM=APSPPIEP」の「PARM」指定に対して、2種類の新規パラメータが追加されました。
PARM=(NSTddname,trace_type,prompt,trace_size,tcpip_name,UNICODE,blank_truncation,restore_blanks_classes)
※「UNICODE」パラメータの直後に、「第7パラメータ」、「第8パラメータ」として追加

■PSFの他、次のような個別フィーチャーを利用する場合も、同様な新規パラメータ(EXEC PARM)が追加されました。
※「Download for z/OS」(EXEC PGM=APSKAFPD)
PARM=(FSSddname,{INTR|FULL},prompt,trace_size,reserved,reserved,blank_truncation,restore_blanks_classes)
※「AFP Download Plus」(EXEC PGM=APSHPOSE)
PARM=({'INV=piname'|NSTddname,trace_type,prompt,trace_size,tcpip_name,UNICODE,blank_truncation,restore_blanks_classes})

【考慮事項】 ※PSF機能変更適用後の追加対応(カスタマイズ)要否
■PSF機能変更の適用後は、「非ページモード・データセット」に対する省略時解釈として「後続ブランク」を切り捨てるため、JES2PARM OUTCLASS(x)ステートメントで、一律、「BLNKTRNC=YES」パラメータ(省略時値)が有効な場合、追加の対応は不要です。
■JES2PARM OUTCLASS(x)ステートメントで、一律、「BLNKTRNC=NO」パラメータが明示指定されている場合、PSF起動時の「EXEC PARM」では、「第7パラメータ」(blank_truncation)値として「NOBLNKTRNC」を明示指定する必要があります。
■JES2PARM OUTCLASS(x)ステートメントで、「BLNKTRNC=YES/NO」パラメータ指定が混在の場合、PSF起動時の「EXEC PARM」では、「第7パラメータ」(blank_truncation)値として「BLNKTRNC」を有効にする(明示指定、あるいは省略時値)と共に、「第8パラメータ」(restore_blanks_classes)値として、JES2PARMで「BLNKTRNC=NO」パラメータ指定の出力クラスを明示指定する必要があります。

 
以上