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#065【z/OS V2R3/V2R4/V2R5新機能】 PARMLIB(IGGCATxx)メンバーにおける「GDGLIMITMAX(nnn)」パラメータの新規追加

  

従来、IDCAMS DEFINEコマンドでは、GDGベース・エントリーを作成する際の「LIMIT(limit)」パラメータ指定が可能です。また、IDCAMS ALTER LIMIT(limit)コマンドによる「LIMIT」パラメータ値の変更も可能です。
※「LIMIT(limit)」パラメータ値の指定可能な範囲: 「1~255」(GDG非拡張フォーマット)、「1~999」(GDG拡張フォーマット)

【GDG拡張フォーマット(z/OS V2R2新機能)】 ※既知情報
■z/OS V2R2では、「GDG拡張フォーマット」が新しくサポートされ、作成可能な「世代データセット」(GDS)の世代数が最大「255」から「999」に増加しました。
※日次で新規作成される「GDS」の1年分が保持可能 ⇒ 運用の柔軟性を確保
■「GDG拡張フォーマット」を新たに作成する際、次のような対応(①&②)が必要となります。
①GDGベース・エントリーで「EXTENDED」属性を指定
※IDCAMS DEFINE GDGコマンド: EXTENDED | NOEXTENDED
②IDCAMS DEFINE GDGコマンドにて「EXTENDED」属性を指定可能とするための前提
※PARMLIB(IGGCATxx)メンバー: GDGEXTENDED(YES)  ※省略時値: NO
■PARMLIB(IGGCATxx)メンバーにて省略時値(GDGEXTENDED(NO))が有効な場合、「255」を超える「LIMIT」パラメータ値、および「EXTENDED」パラメータ指定は不可となります。
※z/OS V2R5の事例:

【新機能(z/OS V2R3~V2R5)】
■DFSMS APAR OA62222、OA62224、OA62225 (PTF: 2022/02 CLOSE)
■PARMLIB(IGGCATxx)メンバーにて「GDGLIMITMAX(nnn)」(0~999)パラメータが新規提供され、IDCAMS DEFINE GDGコマンド、IDCAMS ALTERコマンド実行時の「LIMIT(limit)」パラメータ最大値を指定可能になりました。
※省略時値: GDGLIMITMAX(0) ⇒ 従来挙動を踏襲 ・・・ 最大値として、GDGフォーマットに依存した限界値(255/999)が有効
■IDCAMS DEFINE GDGコマンド、IDCAMS ALTERコマンドで指定された「LIMIT(limit)」パラメータ値が「GDGLIMITMAX」パラメータ値を超える場合は、下記のメッセージ IDC0016I出力(CC04)を伴い、「GDGLIMITMAX」値が設定されます。
IDC0016I GDG LIMIT PARAMETER EXCEEDS THE SYSTEM LIMIT MAXIMUM. THE SYSTEM LIMIT OF nnn IS USED
■「GDGLIMITMAX」パラメータ指定値(PARMLIB)を変更するには、再度IPL処理を行う必要があります。
※システム稼働中の「MODIFY CATALOG」コマンドによる変更不可

【考慮事項①】
■「F CATALOG,REPORT」コマンド実行結果に含まれる「GDG LIMIT MAXIMUM」は、PARMLIB(IGGCATxx)メンバーで有効な「GDGLIMITMAX(nnn)」パラメータ値を表示します。
■「GDGLIMITMAX(0)」パラメータ(省略時値)が有効な場合、「F CATALOG,REPORT」コマンド実行結果では「(NONE)」と表示されます。
※「(NONE)」表示の場合は、従来同様、GDGフォーマットに依存した限界値、つまり、「255」(GDG非拡張フォーマット)あるいは「999」(GDG拡張フォーマット)が有効

【考慮事項②】
■PARMLIB(IGGCATxx)メンバーにて「GDGEXTENDED(NO)」パラメータ(省略時値)が有効な場合でも、「255」を超える「GDGLIMITMAX」パラメータ指定は可能ですが、それは最大「255」として扱われます。
※例えば、「GDGEXTENDED(NO)」の環境で「GDGLIMITMAX(300)」を指定した場合、「F CATALOG,REPORT」コマンドの出力結果では「GDG LIMIT MAXIMUM」として「300」を表示するものの、最大値としては「255」が有効
■PARMLIB(IGGCATxx)メンバーにて「GDGEXTENDED(NO)」パラメータ(省略時値)が有効な場合、「GDGLIMITMAX」パラメータによる新機能を活用するには、「254」以下の値を指定する必要があります。
※「255」以上の値を指定した場合は、従来同様の扱い(最大値: 255)

【考慮事項③】
■ISPF OPT3.2 「V VSAM Utilities」から利用可能な「Define Generation Data Group」(パネル: ISRUVPC4)では、指定された「LIMIT」値と「GDGLIMITMAX」パラメータ指定値(PARMLIB)との整合性検査は行われていません。
※生成されたIDCAMS DEFINE GDGコマンドをそのまま実行した場合、メッセージ IDC0016I出力の可能性あり(CC04)


以上