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#063【z/OS V2R4/V2R5変更点】 SDSF 「ISF.SISFLPA」データセットに関するLPALST連結の必要性

  

従来、SDSFでは、関連モジュールをLPA常駐させる目的で「ISF.SISFLPA」データセットが提供されています。

【「ISF.SISFLPA」データセットの変更点】
■z/OS V2R4、V2R5 SDSFでは、z/OS V2R3 SDSFと比べて「ISF.SISFLPA」データセットのメンバー構成内容が変更されていることがわかります。
※z/OS V2R4では、モジュール HSFINLPAが新規提供
※z/OS V2R5では、SDSFのSVCモジュール(IGX00011)が削除
※z/OS V2R5では、モジュール ISFINLPAが削除

【SDSF/HSFLOG出力メッセージからの考察】 ※z/OS V2R3~V2R5
■z/OS V2R3では、LNKLST連結された「ISF.SISFLOAD」データセット内の各種モジュールが、SDSF起動時に「Dynamic LPA」機能を利用して「ECSA」に配置されます。
■z/OS V2R4、V2R5では、「ISF.SISFLPA」データセットをLPALST連結することで、各種モジュールがシステム初期設定時に「EPLPA」に配置されます。
※対象モジュール群が、従来の「ISF.SISFLOAD」から「ISF.SISFLPA」データセットに移動した格好
■「D PROG,LPA,MOD=modname」コマンド実行結果の比較
※z/OS V2R3の場合だけ、応答メッセージCSV550Iに含まれる「FLAGS」情報として「D」を表示(Dynamic LPA)

【考慮事項】
■従来、「ISF.SISFLPA」データセットは「PLPA」による活動化(データセット指定)が推奨され、「MLPA」による活動化(モジュール指定)は非推奨です。
※ServerPac提供の「CPAC.PARMLIB」データセットでは、「LPALST00」メンバーにて「ISF.SISFLPA」データセットが指定され、「IEALPA00」メンバーは空の状態

■z/OS V2R3で、「PARMLIB(IEALPAxx)」メンバーにて例えば次のような指定を行い、「ISF.SISFLPA」データセットを「MLPA」で活動化している場合は、z/OS V2R5への移行時、「PARMLIB(LPALSTxx)」メンバー指定による「PLPA」活動化に切り替える必要があります。
INCLUDE LIBRARY(ISF.SISFLPA) MODULES(IGX00011,ISFINLPA)

■z/OS V2R5 「Program Directory」(Page-139)では、「ISF.SISFLPA」データセットをLPALST連結する必要性が記載されています。(z/OS V2R4までは明記なし)
⇒ ISF.SISFLPA must be in the lpalst

【想定される悪影響①】
■z/OS V2R5で、前述のような「PARMLIB(IEALPAxx)」メンバー指定を引き継いだ場合、「ISF.SISFLPA」データセットには該当モジュールが存在しないため、システム初期設定時に次のようなメッセージ出力が行われます。(処理続行)
IEA301I IGX00011 NOT FOUND IN ISF.SISFLPA
IEA301I ISFINLPA NOT FOUND IN ISF.SISFLPA
■対応策: 「MLPA」による活動化を行わず、「ISF.SISFLPA」データセットをLPALST連結する

【想定される悪影響②】 ※z/OS V2R4でも同様
■z/OS V2R5で、「ISF.SISFLPA」データセットをLPALST連結しない場合、SDSFアドレス空間の起動時に必要なモジュールが存在しないため、「ABENDU0201」の発生を伴い初期設定処理が完了しません。

■対応策: 「ISF.SISFLPA」データセットをLPALST連結する

以上