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#061【z/OS V2R5変更点】 「ISF.SISFLOAD」データセットのSTEPLIB指定は非推奨(SDSF/SDSFAUXアドレス空間)

  

従来、SDSFが提供する「ISF.SISFLOAD」データセットは、LNKLST連結、あるいは、SDSF、SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIB DDステートメントにて指定します。

【制約事項(z/OS V2R1~V2R3)と変更点(z/OS V2R4)】
「ISF.SISFLOAD」データセットがLPALST連結されている環境では、z/OS V2R1~V2R3の制約事項として、SDSF/SDSFAUXアドレス空間(いずれか、または両方)のSTEPLIBにて、「ISF.SISFLOAD」データセット(APF許可あり)を指定する必要があります。

※さもないと、SDSF/SDSFAUXアドレス空間の起動できない状況が発生(USER COMPLETION CODE=0301 REASON CODE=003A0868)
(SDSFアドレス空間)HSF0067E CSVDYLPA add for module HSFRCOVR failed RC=00000004 RSN=00000401 DIAG=20004001
(SDSFAUXアドレス空間)HSF0067E CSVDYLPA add for module HSFSRVRM failed RC=00000004 RSN=00000401 DIAG=20004001

■z/OS V2R4では、上記の制約が排除され、「ISF.SISFJCL」データセットに提供されるサンプル・プロシージャー(SDSF/SDSFAUX)が共に更新されました。
※「ISF.SISFLOAD」データセットをLPALST連結する場合、各アドレス空間で「ISF.SISFLOAD」データセットをSTEPLIB指定する必要性の変化

【z/OS V2R5の変更点】
■z/OS V2R5では、「ISF.SISFLOAD」データセットをSDSF/SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIBで指定することが非推奨となりました。(前述の通り、z/OS V2R4以降はSTEPLIB指定の必要性なし)
(z/OS V2R4まで)「ISF.SISFLOAD」データセットは、LNKLST連結、あるいは、SDSF/SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIBにて指定
(z/OS V2R5)      「ISF.SISFLOAD」データセットは、LNKLST連結にて指定
※従来同様、「ISF.SISFLOAD」データセットのLPALST連結は任意可能ですが、その場合でもz/OS V2R4以降はSTEPLIB指定が不要

【考慮事項】
■STEPLIB指定は、APF許可の間違い、データセットのバージョン・リリース間違いなど、「ユーザー・エラー」を誘発する可能性があるため、それを排除すべく、z/OS V2R5ではSDSF製品マニュアル、プログラム・ディレクトリーの記載情報が一斉に変更されました。

z/OS Version 2 Release 3 SDSF Operation and Customization (SA23-2274-30)
z/OS Version 2 Release 4 SDSF Operation and Customization (SA23-2274-40)
Chapter 3. Using the SDSF server
Note: The SDSF server and SDSFAUX address spaces use services to load modules that require SISFLOAD to be present in the system lnklst. If SISFLOAD is not in the lnklst, SISFLOAD must be added as a //STEPLIB in the SDSF server and SDSFAUX JCL procedures and APF authorized.
z/OS 2.5 SDSF Operation and Customization (SA23-2274-50)
Chapter 3. Using the SDSF server
Note: SDSF requires that ISF.SISFLOAD be in the system lnklst.
z/OS V2R5 Program Directory (GI11-9848-04)
(Page-139)As of V2R5, SDSF cannot be loaded using a STEPLIB.  ... and ISF.SISFLOAD must be in the lnklst.

 

(事例①) APF許可されていない「ISF.SISFLOAD」データセットをSDSF/SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIBで指定した場合、z/OS V2R4、V2R5とも「ABEND047」が発生し、SDSFアドレス空間が起動できません。
(事例②) z/OS V2R5環境で、SDSF/SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIBにて「ISF.SISFLOAD」データセットを指定したところ(APF許可あり)、特別なエラー・メッセージ等も出力されず初期設定が正常に完了しました。(LNKLST連結における「ISF.SISFLOAD」データセットの指定有無によらず)

以上