従来、SDSFが提供する「ISF.SISFLOAD」データセットは、LNKLST連結、あるいは、SDSF、SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIB DDステートメントにて指定します。
【制約事項(z/OS V2R1~V2R3)と変更点(z/OS V2R4)】
■「ISF.SISFLOAD」データセットがLPALST連結されている環境では、z/OS V2R1~V2R3の制約事項として、SDSF/SDSFAUXアドレス空間(いずれか、または両方)のSTEPLIBにて、「ISF.SISFLOAD」データセット(APF許可あり)を指定する必要があります。
※さもないと、SDSF/SDSFAUXアドレス空間の起動できない状況が発生(USER COMPLETION CODE=0301 REASON CODE=003A0868)
(SDSFアドレス空間)HSF0067E CSVDYLPA add for module HSFRCOVR failed RC=00000004 RSN=00000401 DIAG=20004001
(SDSFAUXアドレス空間)HSF0067E CSVDYLPA add for module HSFSRVRM failed RC=00000004 RSN=00000401 DIAG=20004001
■z/OS V2R4では、上記の制約が排除され、「ISF.SISFJCL」データセットに提供されるサンプル・プロシージャー(SDSF/SDSFAUX)が共に更新されました。
※「ISF.SISFLOAD」データセットをLPALST連結する場合、各アドレス空間で「ISF.SISFLOAD」データセットをSTEPLIB指定する必要性の変化
【z/OS V2R5の変更点】
■z/OS V2R5では、「ISF.SISFLOAD」データセットをSDSF/SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIBで指定することが非推奨となりました。(前述の通り、z/OS V2R4以降はSTEPLIB指定の必要性なし)
(z/OS V2R4まで)「ISF.SISFLOAD」データセットは、LNKLST連結、あるいは、SDSF/SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIBにて指定
(z/OS V2R5) 「ISF.SISFLOAD」データセットは、LNKLST連結にて指定
※従来同様、「ISF.SISFLOAD」データセットのLPALST連結は任意可能ですが、その場合でもz/OS V2R4以降はSTEPLIB指定が不要
【考慮事項】
■STEPLIB指定は、APF許可の間違い、データセットのバージョン・リリース間違いなど、「ユーザー・エラー」を誘発する可能性があるため、それを排除すべく、z/OS V2R5ではSDSF製品マニュアル、プログラム・ディレクトリーの記載情報が一斉に変更されました。
(事例①) APF許可されていない「ISF.SISFLOAD」データセットをSDSF/SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIBで指定した場合、z/OS V2R4、V2R5とも「ABEND047」が発生し、SDSFアドレス空間が起動できません。
(事例②) z/OS V2R5環境で、SDSF/SDSFAUXアドレス空間のSTEPLIBにて「ISF.SISFLOAD」データセットを指定したところ(APF許可あり)、特別なエラー・メッセージ等も出力されず初期設定が正常に完了しました。(LNKLST連結における「ISF.SISFLOAD」データセットの指定有無によらず)
以上