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#057【z/OS V2R5変更点】 JES2 「z11」チェックポイント・モードのサポート終了

  

2019年2月26日付けの開発意向表明で、JES2が「z11」チェックポイント・モードをサポートするのは、z/OS V2R4が最終リリースとなる発表がありました。

【z/OS V2R5 JES2の変更点】
■z/OS V2R5では、JES2の「z11」チェックポイント・モード(z/OS V1R11の新機能)が廃止された結果、「z22」チェックポイント・モード(z/OS V2R2の新機能)のみがサポートされます。
■z/OS V2R5では、「z11」チェックポイント・モードを活動化することができません。
■z/OS V2R5への移行時に、JES2 WARMスタートする要件がある場合は、移行前の現環境(z/OS V2R3、V2R4)で、「z11」から「z22」チェックポイント・モードへの切り替えを完了しておく必要があります。(さもないと、JES2 COLDスタートが必要)
※「z11」チェックポイント・モードのままでは、z/OS V2R5 JES2のWARMスタート不可(JES2初期設定が中止)

【JES2 COLDスタート時の考慮点(z/OS V2R5)】
■JES2起動時のWTORメッセージ $HASP426に対して「COLD,UNACT」を応答した場合でも、何らエラー・メッセージ等が出力されることなく、「z22」チェックポイント・モードとして正常に処理されます。(事例①)
■JES2起動時のWTORメッセージ $HASP426に対して「COLD」を応答した際、JES2PARM 「OPTSDEF」ステートメントの「COLD_START_MODE=Z11」パラメータ指定がある場合でも、何らエラー・メッセージ等が出力されることなく、「z22」チェックポイント・モードとして正常に処理されます。(事例②)

【$ACTIVATEコマンドによる「z22」チェックポイント・モード切り替え時の考慮点】
■「z22」チェックポイント・モードは、JES2PARM 「SPOOLDEF」ステートメントの「CYL_MANAGED=FAIL」(省略時値)パラメータをサポートしません。
※「CYL_MANAGED=FAIL/ALLOWED」パラメータは、z/OS V1R12 JES2の新機能(EAV対応)
■z/OS V2R3、V2R4環境で、JES2稼働中に「$ACTIVATE,LEVEL=Z22」コマンドを実行して、「z11」から「z22」チェックポイント・モードへ切り替える際、「CYL_MANAGED=ALLOWED」パラメータ指定が有効になっていることを予め確認し、省略時値(FAIL)が有効な場合は、「$TSPOOLDEF,CYL_MANAGED=ALLOWED」コマンドにて、「ALLOWED」指定に変更する必要があります
■「z22」チェックポイント・モードへの切り替え例(z/OS V2R3環境)
■JES2 COLDスタートにて、「z22」チェックポイント・モードを強制的に活動化する場合は、実際の指定値によらず、「CYL_MANAGED=ALLOWED」パラメータ指定が有効化されるため、JES2PARM 「SPOOLDEF」ステートメントへの明示指定は不要です。
※「CYL_MANAGED=FAIL」パラメータが明示指定されている場合でも、何らエラー・メッセージ等は未出力

【「z22」チェックポイント・モード稼働時の注意点】
■JES2が「z22」チェックポイント・モードで稼働する場合、「CYL_MANAGED=ALLOWED」パラメータ指定が常に有効化されるため、「$DSPOOLDEF」コマンドの実行結果($HASP844メッセージ)には、「CYL_MANAGED=FAIL/ALLOWED」パラメータがもはや表示されません。(事例①)
■「z22」チェックポイント・モードでは、「$TSPOOLDEF」コマンドによる、「CYL_MANAGED=FAIL/ALLOWED」パラメータが設定できません。(事例②)

【JES2PARM 「OPTSDEF」ステートメントの注意点】

■JES2PARM 「OPTSDEF」ステートメントにて、「COLD_START_MODE=Z11」パラメータを明示指定している場合、「$ACTIVATE,LEVEL=Z22」コマンド実行時には、次のようなワーニング・メッセージ(NOTE)が出力されます。(事例①)
■予期せぬCOLDスタート発生時でもモード変更が起きないよう、「z22」チェックポイント・モードへの切り替え後は、JES2PARM 「OPTSDEF」ステートメントの「COLD_START_MODE=Z11」パラメータ指定を削除する(省略時値: Z22)、あるいは、「COLD_START_MODE=Z22」パラメータ指定へ変更する対応が推奨です。
※さもないと、その後のJES2 WARMスタート時には、次のようなワーニング・メッセージ出力(事例②)

【「z22」から「z11」へのフォールバック】 (z/OS V2R3環境)

■z/OS V2R3、V2R4 JES2では、「$ACTIVAE,LEVEL=Z11」コマンドを実行することで、「z22」から「z11」チェックポイント・モードへの切り戻しが可能です。(事例①)
■「z11」チェックポイント・モードへの変更後は、「$DSPOOLDEF」コマンドの実行結果($HASP844メッセージ)として、「CYL_MANAGED=ALLOWED」が表示され、「$TSPOOLDEF」コマンドを実行して、「CYL_MANAGED=FAIL」指定に変更することも可能です。(事例②)

以上