z/OS V2R3以降、SDSF、SDSFAUXアドレス空間を稼働していない場合、SDSFパネル・オペレーションに様々な悪影響が出てきました。
【z/OS V2R4の変更点】
■従来、SDSF、SDSFAUXアドレス空間が稼働停止している場合、RACF設定状況によらず、「新パネル」(SDSFAUXアドレス空間の登場以降に新規追加)は表示できません。
■z/OS V2R4では、それらに加え、「従来パネル」の中でも、「DA」、「ENC」、「PS」、「RM」、「CK」パネルが表示できなくなりました。(パネル上のデータが表示不可)
※「DA」パネルだけは、パネル表示のための回避策あり ・・・ 「TSO ALLOC F(ISFMIGDA) DUMMY REUS」コマンド
【z/OS V2R5の変更点】
■z/OS V2R5では、SDSF利用時にSDSFサーバーへの接続が必須となり、SDSF、SDSFAUXアドレス空間が稼働停止している場合は、RACF設定状況によらず、SDSFにアクセスすることができなくなりました。(SDSFメニューが表示不可)
※RACF SDSFクラスには、「**」プロファイル、「SERVER.NOPARM」プロファイル、各パネル利用向けのプロファイルがいずれも定義なし
■エラー・メッセージ出力例(z/OS V2R3、V2R4、V2R5)
【変更に伴う影響と回避策】
■従来、SDSFの「LOG」パネル(EMCSコンソール)にて、「/P SDSF」コマンドを実行することで、SDSF、SDSFAUXアドレス空間の稼働停止を行うことが可能です。
※z/OS V2R5では、SDSFアドレス空間を停止した場合に限り、IEF352I メッセージ出力
■z/OS V2R4では、この後、「/S SDSF」コマンドを実行することで、SDSF、SDSFAUXアドレス空間の稼働開始が可能です。
■z/OS V2R5では、SDSFアドレス空間が稼働停止した時点で高輝度のエラー・メッセージが出力され、「LOG」パネル、「ULOG」パネルからのコマンド入力(「/S SDSF」コマンドなど)が受け付けられなくなるため、SDSF、SDSFAUXアドレス空間の稼働再開ができません。
■MCSコンソールでのオペレーションが不可の場合、SDSF、SDSFAUXアドレス空間の稼働開始を行うには、例えば次のような方法(回避策)が考えられます。
①バッチ・ジョブ経由で、JCL 「COMMAND」ステートメントにて「S SDSF,M=xx」コマンドを実行
※WTORメッセージ 「IEFC166D REPLY Y/N TO EXECUTE/SUPPRESS COMMAND」を出力させないため、該当JOBCLASSに対して、「COMMAND=DISPLAY」、あるいは「COMMAND=EXECUTE」パラメータ指定が必要 ・・・ バッチ・ジョブの省略時値: 「COMMAND=VERIFY」
②「MGCRE」マクロにて「S SDSF,M=xx」コマンドを発行するプログラムを作成し、バッチ・ジョブ経由で実行
【関連情報】
■SDSFサーバーの再起動は、PTF適用時の「ACTION」として「HOLD(RESTART)」が必要な時に限定され、それ以外の場合は動的変更を利用することが可能です。
※PARMLIB(ISFPRMxx)メンバーの更新を行う場合 ・・・ 指定内容を置換
「F SDSF,REFRESH」コマンド: 現在利用中の「ISFPRMxx」メンバーをリフレッシュ
「F SDSF,REFRESH,M=nn」コマンド: 指定された「ISFPRMnn」メンバーを活動化
※「TEST」オプションを指定することで、構文検査だけを行うことも可能
F SDSF,REFRESH,TEST
F SDSF,REFRESH,M=nn,TEST
■シスプレックス内の複数メンバーでSDSFサーバーが稼働し、PARMLIB(ISFPRMxx)メンバーを共有している場合は、各サーバーに対する更新処理(リフレッシュ)が必要です。
以上