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#050【z/OS V2R5変更点】 z/OS稼働LPARでサポートされるプロセッサー・ストレージ(最大「16TB」に増加)

  
「IBM z13」サーバー以降、z/OS V2R2、V2R3、V2R4稼働LPARの「オンライン実記憶域」サイズ(プロセッサー・ストレージ)が、最大「4TB」まで拡張され、z/OSにてサポートされる最大値まで利用可能となりました。
※「zEC12」サーバーまでは、最大「1TB」に制限

【z/OS V2R5の変更点】 ※APAR OA61516 (z/OS V2R5標準機能)
■z/OS V2R5では、稼働LPARの「オンライン実記憶域」サイズ最大値が、従来の「4TB」から「16TB」に引き上げられ、稼働サーバーの最大プロセッサー・ストレージ容量を超えない範囲で利用可能となりました。
※2022/04/21 追記: 「IBM z16 A01」関連情報
■z/OS V2R5では、「オンライン実記憶域」サイズが「4TB」を超える場合、「4TB」を超える部分は「2GBラージ・フレーム」専用になります。
※PARMLIB(IEASYSxx) 「LFAREA」パラメータで指定された「2GBラージ・フレーム」に上乗せ
例えば、「オンライン実記憶域」サイズが「8TB」、かつ「LFAREA=(1M=1024,2G=512)」パラメータ指定の場合
「2GBラージ・フレーム」 ・・・ 1TB分 (2GB x 512) + 4TB分 (8TB - 4TB) = 5TB分
IAR059I STORAGE ABOVE 4T RESULTED IN 2048 2G FRAMES FOR A TOTAL OF 2560 2G FRAMES
■z/OS V2R5では、「オンライン実記憶域」サイズが「4TB」を超える場合、「ストレージ再構成」機能は利用不可となります。
※PARMLIB(IEASYSxx) 「RSU」パラメータ指定は無視
IEE196I AMOUNT OF CENTRAL STORAGE EXCEEDS 4T MAXIMUM: RECONFIGURATION FUNCTIONS ARE NOT AVAILABLE.
■z/OS V2R5では、「RCE」制御ブロック内に「RCE_ONLINEFRAMECOUNTATIPL」(8バイト)フィールド(プログラミング・インターフェース)が新規追加され、IPL時の「オンライン実記憶域」サイズを「4K」単位で記録します。

【SMFレコード・タイプ 0 (IPL)の変更点】
■従来、SMFレコード・タイプ 0 (IPL)に含まれる「SMF0RST」(4バイト)フィールドは、IPL時の「オンライン実記憶域」サイズを「K」単位で記録します。
※「4TB-1」(x'FFFFFFFF')が最大 ・・・ 「4TB」以上の場合は、常にx'FFFFFFFF'
■z/OS V2R5では、「SMF0RS4K」(8バイト)フィールドが新規追加され、IPL時の「オンライン実記憶域」サイズを「4K」単位で記録します。(「4TB」以上もサポート)

【「D M=CPU」、「D M=HIGH」コマンド実行結果の変更点】
■z/OS V2R5における「D M=CPU」、「D M=HIGH」コマンド実行結果では、稼働サーバーによらず、「実記憶域」のアドレス・レンジを示す「単位」が変更されました。
※従来の「M」表示から「G」表示への変更例

【「D M=CONFIG(xx)」コマンド実行結果】
■例えば、「オンライン実記憶域」サイズが「64GB」の環境(z/OS V2R5)では、PARMLIB(CONFIGxx)メンバーにて、「STOR 0M-65536M,ONLINE」、「STOR 0G-64G,ONLINE」ステートメントどちらを指定した場合も、「D M=CONFIG(xx)」コマンドによる検査は成功します。

【関連情報】

■z/OS V2R5が「IBM z14」サーバー以降で稼働する場合は、z/OS V2R3、V2R4と同様に下記要件が適用されます。
※「オンライン実記憶域」サイズが最低「8GB」を満たさない場合、WTORメッセージIAR057Dを出力 ・・・ z/VM配下やzPDT稼働時は、最低「2GB」
IAR057D LESS THAN 8GB OF REAL STORAGE IMPACTS SYSTEM AVAILABILITY – ADD STORAGE OR REPLY C TO CONTINUE

以上