ISF.SISFJCLデータセット提供のサンプルJCL(プロシージャー)を利用してSDSFアドレス空間(サーバー)を起動した際、z/OS V2R3では、従来の「SDSFLOG DD」に加え、「HSFLOG DD」、「HSFTRACE DD」に対するSYSOUTデータセットが動的アロケーションされます。※これらのSYSOUTデータセットは、SDSF、SDSFAUXアドレス空間の問題判別を行う際に有用な情報を記録【z/OS V2R3 SDSFの変更点】
- z/OS V2R3では、「HSFLOG DD」、「HSFTRACE DD」(ログ、トレース向けのSYSOUTデータセット)のアロケーションが、従来のSDSFAUXアドレス空間からSDSFアドレス空間に変更されました。
※z/OS V2R1、V2R2で、SDSFAUXアドレス空間が非稼働の場合、これらのSYSOUTデータセットは、z/OS V2R3移行時に初めて登場
- 各SYSOUTデータセットを動的アロケーションする際の「SYSOUTクラス」は、次のような方法で指定します。
※SDSFアドレス空間用のサンプルJCL(プロシージャー)では、以前より「LC(A)」パラメータが明示指定され、クラス「A」にて「SDSFLOG DD」のSYSOUTデータセットを動的アロケーション
※各DDステートメントを明示指定した場合、動的アロケーションは行われず、指定された「SYSOUT=sysout-class」パラメータが有効
【考慮事項】
- 提供プロシージャーを利用して省略時解釈で稼働した場合、「SDSFLOG DD」、「HSFLOG DD」、「HSFTRACE DD」にて動的アロケーションされるSYSOUTデータセットは、共にクラス「A」の属性を持つため、例えば次のような点に注意が必要です。
※JES2PARM 「OUTCLASS(A)」ステートメントにて「OUTPUT=PRINT,OUTDISP=(WRITE,WRITE)」パラメータ指定(いずれも省略時値)が有効な場合は、想定外の印刷処理が行われてしまう可能性あり
※$POコマンドなどを利用して特定クラスの出力(SYSOUTデータセット)を定期的にPURGE/CANCELするような運用では、クラス「A」が対象外になっている場合、JES2スプール圧迫の懸念あり
【対応策】
- SDSFアドレス空間(サーバー)起動時のパラメータ、「LC(sysout-class)」(SDSFLOG、HSFLOG向け)、「TC(sysout-class)」(HSFTRACE向け)を利用して、適切な「SYSOUTクラス」を明示指定するのが推奨です。
※「SYSOUTクラス」の制御(例) ・・・ SDSFアドレス空間(サーバー)起動時のオーバーライドも可能
以上