z/OS V2R3 RMFでは、「IBM zHyperWrite」環境を想定した機能強化に伴い、RMFモニターII (TSO RMFMON)の「SENQR (PF9)」(SYSTEM ENQUEUE RESERVE)レポート表示が変更されました。【z/OS V2R3の変更点①】
- 「SENQR」レポートで表示される「装置番号(DEV)」が、従来の「4桁」(dddd)から「5桁」(sdddd)に変更され、新しく追加された「先頭1桁(s)」(サブチャネルセット)により、PPRCプライマリー、セカンダリー装置が区別できるようになりました。
※当変更に伴い、「装置番号(DEV)」よりも右側の表示カラムで「桁ずれ」発生
※「SENQR」向けのSMFタイプ79(サブタイプ6)レコードにも、「サブチャネルセット番号」を示す新規フィールド(R796SCS)追加
- 同様な変更は、RMFモニターII (TSO RMFMON)の「PGSP (PF7)」(PAGE DATA SET ACTIVITY)レポート、「DEV (PF6)」(DEVICE ACTIVITY)レポートでも行われました。
【z/OS V2R3の変更点②】
- 従来、「SENQR」レポートでは、ジョブによる「RESERVE」の保持状況をスナップショットで表示しますが、z/OS V2R3 RMFで行われた冒頭の機能強化に伴い「RESERVE」状況の取得方法が変更され、「グローバルENQ」に変換(コンバージョン)された「RESERVE」要求は表示対象外になりました。
- 「SENQR」レポート表示例(z/OS V2R1、V2R3の比較): 「qname SYSIEWLP」の「RESERVE」要求が「グローバルENQ」に変換(コンバージョン)された場合 ※PARMLIB(GRSRNLxx)メンバー指定例: RNLDEF RNL(CON) TYPE(GENERIC) QNAME(SYSIEWLP)
【対応策】
- z/OS V2R3、V2R4では、「グローバルENQ」に変換(コンバージョン)された「RESERVE」要求が「SENQR」レポートにて非表示となるため、「ENQ」の取得や競合発生の状況を確認するには、GRS ENQ/DEQモニター、あるいは「D GRS,RES=(qname,rname)」コマンド、「D GRS,C」コマンドを併用する必要があります。
※例えば、「z/OS V2R1からV2R3」、「V2R2からV2R4」へ移行時の検証項目として、「RESERVEコンバージョン」の発生状況を確認する際、「SENQR」レポートは利用不可
【マニュアル記載の注意点】※2021/06/24付けでマニュアル記載が更新され、「CNV」の表示が削除されました(2021/06/27 追記)
- z/OS V2R3、V2R4のRMF関連マニュアル(Report Analysis)に記載された「SENQR」レポート例では、z/OS V2R1と同様、「グローバルENQ」に変換(コンバージョン)された「RESERVE」要求(「RSV」カラムが「CNV」)を表示していますが、前述のような背景から、実際には表示されません。
以上