従来、SMS管理順次データセットの新規アロケーション時は、EOFレコードを先頭トラックに書き込むことで、データセット削除後の残存データを誤って処理しないよう配慮されています。一方、非SMS管理順次データセットの場合は「z/OS V1R11」で初めて、SMS管理の場合と同様な処理(EOFレコードの書き込み)が行われるようになりました。【z/OS V1R13 ISPFの変更点】
- ISPF OPT3.2の新規アロケーション(A)では、作成後の非SMS管理順次データセットに対してEOFレコードを書き込むための独自処理を行っていましたが、前述のような機能拡張(z/OS V1R11)を受け、ISPFの独自処理は「z/OS V1R13」時点で廃止されました。 ※OPT3.4 「AL」コマンド(z/OS V1R13 ISPF新機能)による新規アロケーションでも同様
- これに伴い、ISPF OPT3.2、OPT3.4で新規作成された非SMS管理順次データセットの「最終参照日」が更新(設定)されなくなったため、作成直後のOPT3.4データセット・リストでは、SMS管理の場合と同様、「参照日」として「** なし **」、または「***None***」を表示します。
【機能変更に伴う影響】
- ISPF OPT3.2の新規アロケーション(A)、またはOPT3.4の新規アロケーション(AL)だけを行った「空」の非SMS管理順次データセットを、DFSMSdssにてDUMP/RESTORE処理する際、RESTORE時(CATALOGパラメータ指定時)に下記のエラー・メッセージが出力(RC08)されます。
ADR435E (001)-SBRTN(01), DATA SET XXXX.YYYYYYY.ZZZZ WAS NOT CATALOGED
※DFSMSdssのRESTORE処理では、新規アロケーションしただけのデータセットに対するカタログ処理がサポートされないため、この事象が発生した場合は、RESTORE後に対象データセットを個別にカタログ処理する必要あり
- ISPF OPT3.2の新規アロケーション(A)、またはOPT3.4の新規アロケーション(AL)にて作成されたデータセットが「マルチ・ボリューム」指定で「空」の場合、下記のエラー・メッセージ出力を伴い編集処理(EDIT)ができません。
Obtain failed - ISPG118 Unable to open data set. Obtain returned nonzero return code.
【z/OS V2R4の変更点】
- z/OS V2R4では上記の悪影響を解消するため、ISPF OPT3.2の新規アロケーション(A)、OPT3.4の新規アロケーション(AL)いずれの場合も、「シングル・ボリューム」、「マルチ・ボリューム」指定によらず、作成後の非SMS管理順次データセットに対して、z/OS V1R13より前まで行われていたISPF独自処理が復活しました。
- ISPF OPT3.2の新規アロケーション(A)で、非SMS管理順次データセットを作成した直後の様子(ISPF OPT3.4)
- 同様な機能変更は、ISPF APAR OA54009(z/OS V2R2、V2R3)、ISPF APAR OA54003(z/OS V2R1)でも行われました。
以上