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#026【z/OS V2R2/V2R3/V2R4新機能】ICKDSF INIT処理(オフラインDASD装置)が不完全な場合のVARY ONLINE不可

  
ICKDSFによる初期設定(INIT)済のDASD装置(CKD)では、「シリンダー 0、トラック 0」の「レコード3」として、80バイトの「ボリューム・ラベル」(形式: VOL1vvvvvv...)が存在します。
※先頭「VOL1」キー(4バイト)の後続80バイトが「ボリューム・ラベル」
※「ボリューム・ラベル」の先頭3バイトは「ボリューム・ラベルID」(VOL)
※DFSMSdss PRINTコマンドによる「シリンダー 0、トラック 0 (レコード3)」のプリント結果(ボリューム「ES24T1」の場合)


【従来の課題】
  • オフラインINIT処理が何らかの理由で中断したような場合(初期設定が不完全な状態でINITジョブ終了した場合)でも、その後、該当DASD装置のオンライン処理は可能となります。
※INIT処理の完了状況によらず、「ボリューム・ラベルID」が「VOL」を示す場合は、VARY ONLINE処理が可能

【z/OS V2R2、V2R3、V2R4の新機能】※ICKDSF R17 APAR PH12897  +  BCP APAR OA57756
  • DASD装置(オフライン)のINIT処理が不完全な場合、該当装置への「VARY ONLINE」コマンドを拒否するような新機能が提供されました。
  • DASD装置(オフライン)に対するINIT(初期設定)処理を開始する時点で「ボリューム・ラベルID」として「DSF」を書き込み、初期設定処理が成功裡に完了した時点で本来の「VOL」に変更されるため、「ボリューム・ラベルID」が「DSF」を示す場合は初期設定処理が不完全と判断され、該当装置のVARY ONLINE処理は、新規のエラー・メッセージ IEF113Iで失敗します。
IEFA113I DASD DEVICE devnum NOT VARIED ONLINE - VOLUME INITIALIZATION HAS NOT BEEN COMPLETED
  • 「ボリューム・ラベルID」を「DSF」から「VOL」へ変更し、VARY ONLINE処理可能とするには、INIT処理(オフライン)を再度行う(完了させる)必要があります。
【考慮事項】
  • 「ボリューム・ラベルID」が「DSF」を示す場合、ICKDSF REFORMATコマンドの実行は「CC12」で失敗します。
ICK31026I COMMAND INVALID FOR UNINITIALIZED VOLUME.
  • 「ボリューム・ラベルID」が「DSF」を示す場合、「DS QD」コマンド実行時には、オフラインDASD装置の「VOLSER」カラムに対して「--DSF1」が表示されます。
※通常のオフライン時には「------」を示す


  • BCP APAR OA57756のPTFが提供されない「z/OS V2R1」の環境で、ICKDSF APAR PH12897のPTFを適用すると、ICKDSFとしては新機能を実行しますが、初期設定が未完了のオフラインDASD装置に対して「VARY ONLINE」コマンドが実行された場合は、下記のようなエラーが発生します。
IEF008I DASD DEVICE devnum NOT VARIED ONLINE - VOLUME SERIAL NOT VALID

以上