従来、DFSMSdssによる論理コピー処理(COPY)、論理ダンプ処理(DUMP)を行なう際、「INCLUDE」、「EXCLUDE」フィルター対象のデータセットが何らかの理由で選択されなかった場合、SYSPRINTに対してADR383Wメッセージ(戻りコード: 4)が出力されます。ADR383Wメッセージ出力時には「非選択の理由」が明示されず、メッセージ・マニュアルの記載内容(10種類の理由候補)を参考にしながら判断する必要があるため、特に該当メッセージが複数出力されたような場合、問題判別に時間を要する可能性があります。※カタログ・エラー、アロケーション・エラー発生に伴いデータセットが非選択の場合は、以前より別メッセージ(ADR283W)における「理由コード」として、それぞれ「1」、「2」を表示ADR283W (ttt)-mmmmm(yy), DATA SET dsname WAS NOT SELECTED, reason_code【z/OS V2R3の新機能】
- z/OS V2R3 DFSMSdssでは、論理コピー処理(COPY)、論理ダンプ処理(DUMP)時に出力されるADR383Wメッセージに、非選択となった「理由コード」(1~11)が付加されるため、問題判別が容易になりました。 ※マニュアル記載の「非選択理由」(10種類: 1~10)を全てマッピング(「11」は「理由不明」を示す)
- ADR383Wメッセージの出力例(z/OS V2R4)
※「理由コード: 05」 ・・・ データセットが見つからない
ADR383W (001)-DDDS (01), DATA SET BEANS.TEST.D0117.NOEXIST NOT SELECTED, 05
※「理由コード: 04」 ・・・ DFSMShsmによるマイグレーション済のデータセット(「完全修飾子」のフィルターに合致した場合)
ADR383W (001)-DDDS (01), DATA SET BEANS.TEST.D0117.MIGRAT NOT SELECTED, 04
【考慮事項】従来、DFSMShsmによるマイグレーション済みデータセット(VOLSER=MIGRAT)が「部分修飾子」のフィルターに合致した場合、省略時解釈としてADR383Wメッセージは出力されません。この場合、例えば「SET PATCH 17 = FF」コマンドを処理前に実行することでADR383Wメッセージ出力が可能となり、さらにz/OS V2R3以降では理由コード 「06」も付加されます。
※「SET PATCH 17 = FF」&「COPY DATASET(INCLUDE(BEANS.TEST.D0117.*))」コマンド実行時の出力例(z/OS V2R4)
ADR383W (002)-DDDS (02), DATA SET BEANS.TEST.D0117.MIGRAT NOT SELECTED, 06
z/OS V2R3の新機能をご活用ください!