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#017【z/OS V2R2/V2R3/V2R4変更点】JES2スプール、チェックポイント・データセットの「DSORG PSU」オーバーライド

  
従来、JES2のスプール・データセット、チェックポイント・データセットを作成する際、DCB情報として「DSORG=PSU」(Unmovable)の指定が推奨されます。JES2稼働中に、これらデータセット向けのENQ (SYSDSN)が取得されていないため、「DSORG=PSU」を指定することで、例えば、DFSMSdssのDEFRAGコマンド、CONSOLIDATEコマンドによるエクステント移動を防止し、また、DFSMShsmのスペース管理対象外とすることが可能です。

【z/OS V2R4 JES2の変更点】
z/OS V2R4 JES2では、スプール・データセット、チェックポイント・データセットのOPEN処理で「DCB DSORG=PSU」を明示指定するように変更されました。
※これらのデータセットを「DSORG=PS」指定、「DSORG=null」(無指定)にて新規作成した場合でも、z/OS V2R4 JES2の初回起動時に行われるOPEN処理を通じて、「DSORG=PSU」へ意図的に変更され、それと同時にVTOC/DSCB情報も更新
【z/OS V2R2、V2R3 JES2の変更点】
z/OS V2R2、V2R3に対して、JES2 APAR OA53860のPTFを適用した場合、チェックポイント・データセットのOPEN処理で「DCB DSORG=PSU」を明示指定するように変更されました。
※z/OS V2R2 JES2 (PTF UA93552)、z/OS V2R3 JES2 (PTF UA93553)
※z/OS V2R4 JES2と異なり、スプール・データセットは変更対象外
【変更点のサマリー】
JES2スプール・データセット、チェックポイント・データセットOPEN処理後の「DSORG」設定状況(非SMS管理の場合)
【考慮事項】
JES2スプール・データセット、チェックポイント・データセットが、SMS管理ボリューム上に存在する場合は、OPEN処理での「DCB DSORG=PSU」明示指定を迂回するために、JES2 APAR OA58516のPTF(対象: z/OS V2R2~V2R4)適用が必要です。
※さもないと、「ABEND S213 RC=00000058」発生を伴い、JES2の初期設定が失敗

以上