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#010【z/OS V2R2新機能】DSCBレコードの更新履歴(VTOC監査ログ)

  
z/OS V2R2からは、DASDデータセットに対するVTOC(DSCB)の更新情報を、SMFレコードとして記録できるようになりました。

【従来機能(z/OS V2R1まで)】
DASDデータセットの新規作成(CREATE)に伴い、VTOC上にDSCBレコードが作成され、その後、様々なオペレーション(EXTEND、PARTIAL RELEASE、RENAMEなど)を通じて、DSCBレコードの更新が繰り返し発生します。ただし、データセットが一旦削除(SCRATCH)されると、VTOC上にはDSCBレコードがもはや存在せず、「DSCBレコード作成から削除までの活動履歴」はどこにも記録されていません

【z/OS V2R2の新機能(VTOC監査ログ)】
z/OS V2R2からは、VTOC(DSCB)の更新に関する情報(オペレーション内容、対象データセット名などを含むDSCBレコード)を、「VTOC監査ログ」として記録することが可能となり、例えば、データ整合性などの問題判別にも役立てることができます。
※記録先は、既存SMFタイプ42レコード(DFSMS statistics and configuration)の新規サブタイプ27レコード
※z/OS V2R2では「更新後のDSCB」のみを記録する一方、z/OS V2R3以降では「更新前のDSCB」も併せて記録
「VTOC監査ログ」の記録有無は、PARMLIB(SMFPRMxx)メンバーにて、SMFタイプ42.27レコードを取得対象にするかどうかで決まります。
※記録するためには、42.27レコードを「TYPE指定に含める」、または「NOTYPE指定に含めない」
(例) SYS(TYPE(42(27))) : 「VTOC監査ログ」を記録する
テンポラリー・データセット、および、IPLボリューム上のデータセットは、「VTOC監査ログ」の対象外となります。

【耳寄り情報】
SMFダンプ・ユーティリティーの「サブタイプ」統計レポート出力(z/OS V2R4新機能)を利用すれば、「VTOC監査ログ」新機能(z/OS V2R2以降)によるSMFレコード(タイプ42のサブタイプ27)の記録状況が把握できます
https://community.ibm.com/community/user/ibmz-and-linuxone/blogs/shigeki-kimura1/2020/08/10/sharing-zos-upgrade-info-by-professor-kimura-003j

添付ファイルには、バッチ・ジョブ、およびTSO/ISPFオペレーション実行時に記録されたSMFレコード(42.27)を、ICETOOLにて加工した出力結果を記載しています。
2020-09-29_BLOG10_zOS_V2R2_VTOC_AUDIT_LOG.pdf
z/OS V2R2の新機能をご活用ください!