z/OS V2R4 TSO/Eでは、「ログオン・タイムアウト」機能が新しく提供され、省略時解釈として活動化されます。【z/OS V2R4の新機能】TSO/E LOGONコマンド実行時において、ログオン中の「プロンプト・タスク」処理にタイムアウト機能(最大255分)が提供され、省略時解釈(5分タイムアウト)として活動化されます。
※PARMLIB(IKJTSOxx)メンバー: LOGON TIMEOUT(5)(省略時値: 5分)
※「LOGON TIMEOUT(0)」パラメータを明示指定すると、新機能は非活動化(従来同様、タイムアウトは発生せず)
「ログオン・タイムアウト」の監視は、「IKJ56700A ENTER USERID -」のプロンプトから始まり、ログオン処理が完了するまで、つまり、SAF要求(パスワード検査など)の完了後、セッション開始をスケジュールする直前まで行われます。また、「プロンプト・タスク」の処理(ログオン処理)がタイムアウト値以内に完了しない場合は、内部的に「ABEND01A RC30」が発生し、新規メッセージIKJ604I出力と共にLOGONコマンドは終了します。
IKJ604I TSOLOGON TIMED OUT. USERID UNKNOWN, PROC UNKNOWNこの場合、一般的な「ABEND01A RC30」とは異なり、SVCダンプは取得せず、LOGRECレコードも記録されません。典型的なタイムアウト発生の様子は、添付ファイルを参照ください。【考慮事項①】TN3270E Telnetサーバー接続時に、プロファイルの「BEGINVTAM」ステートメント・ブロックで「DEFAULTAPPL TSO」ステートメントが有効な場合、「IKJ56700A ENTER USERID -」の画面が現れ、ログオン仕掛中となります。また、プロファイルの「TELNETGLOBALS」ステートメントで「LUSESSIONPEND」パラメータが有効な場合、セッション終了時に再接続が行われます。このような環境で、「IKJ56700A ENTER USERID -」の画面(ログオン仕掛状態)を放置していると、「ログオン・タイムアウト」が「5分に1回」(省略時値の場合)繰り返し発生することになり、その都度、SYSLOGへのメッセージ記録が行われます。【考慮事項②】ログオン処理中に、RACF SPECIALユーザーが、パスワード間違いを繰り返し、REVOKE回数を超えた場合、メッセージ ICH301I、および、WTOR ICH302Dが出力され、「Y」、「N」いずれかの応答待ちとなります。ICH301I MAXIMUM PASSWORD ATTEMPTS BY SPECIAL USER useridICH302D REPLY Y TO ALLOW ANOTHER ATTEMPT OR N TO REVOKE USERID userid.この応答待ち時間中に「ログオン・タイムアウト」(IKJ604I TSOLOGON TIMED OUT.)した場合は、RACINIT処理での「ABEND13E-000」が発生します。【注意点】PARMLIB(IKJTSOxx)メンバーで、「LOGON TIMEOUT(0)」パラメータを明示指定し、「ログオン・タイムアウト」新機能を非活動化する場合には、z/OS V2R4 TSO/E APAR OA58288(PTF UJ00845: 2019/09 CLOSE)の適用が必要です。(z/OS V2R4のGA標準機能には含まれていません)さもないと、「ABEND32E RC324」が発生してログオン不可となる事象が発生します。IKJ601I TSOLOGON TERMINATED. ABEND 32E ,USERID BEANS PROC IKJACCNT
【添付ファイル】
2020-09-08_BLOG7_zOS_V2R4_TSOE_LOGON_TIMEOUT.pdf
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