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#005【z/OS V2R3変更点】TSO/E「IKJEFLD」Exit再導入の必要性

  
TSO/E 「Logon Pre-prompt Exit」として「IKJEFLD」を利用する場合、レベルアップの都度、稼働システムの「IKJEFLA」モジュール(SYS1.LPALIBデータセット)と連係編集(BIND処理)しますが、この対応を忘れると、z/OS V2R3以降では思わぬ悪影響が発生します。

従来、TSO/E環境では、2種類の「Logon Pre-prompt Exit」(IKJEFLD、IKJEFLD1)をサポートしています。「AMODE(31)」属性も可能な「IKJEFLD1」Exitは、「IKJEFLD」Exitよりも広範囲の機能に対応していますが、一番の違いは作成方法にあります。
「IKJEFLD1」Exit : 単体モジュールとして作成
「IKJEFLD」Exit : LPAモジュール「IKJEFLA」へ組み込み
「IKJEFLD」 Exitを利用する場合、それが連係編集(BIND処理)された「IKJEFLA」モジュールを、PARMLIB(IEALPAxx)メンバー指定による「MLPA」で活動化するのが一般的です。

【z/OS V2R3以降の注意点】
z/OS V2R3で「IKJEFLD」Exitを利用する場合、新機能対応との整合性を確保するため、z/OS V2R3レベルの「IKJEFLA」モジュール(SYS1.LPALIBデータセット提供)に組み込み、それを活動化する必要があります。(z/OS V2R4では、z/OS V2R4レベルの「IKJEFLA」モジュールに組み込み)
z/OS V2R2以前のシステムで「MLPA」として活動化されていた「IKJEFLA」モジュール(「IKJEFLD」 Exitの組み込み済)を、z/OS V2R3やV2R4環境に持ち込んでそのまま継続利用した場合は、「IKJEFLA」モジュール・レベルが想定よりも低くなるため、TSO/Eログオン処理が正常に行われない可能性があります。
※例えば、初期CLISTで「&SYSUID」変数へのユーザーIDが正しくセットされず、「SET &DSNAME = &SYSUID..ISPF.ISPPROF」命令に対して、無効なデータセット名(ISPFプロファイル)を生成
IKJ56709I INVALID DATA SET NAME, '.ISPF.ISPPROF'

【添付ファイル】
2020-08-24_BLOG5_zOS_V2R3_TSOE_IKJEFLD_Exit.pdf
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