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Db2 for z/OS のデータのレプリケーション方式について

  

 今年6月に、新しいレプリケーション製品として「Db2 for z/OS Data Gate(Data Gate)」が出荷されました。

 今までDb2 for z/OSをレプリケーションするための製品としては、InfoSphere Data Replication for Db2 for z/OS(IDR)がありました。今回Data Gateの登場により、実装できるレプリケーション方式の選択肢3つに増えたため、それぞれの特徴などについて以下に整理しました。今後、レプリケーション方式や製品を選択していただくためのヒントにしていただければと思います。

メインフレームデータをレプリケーションするためのテクノロジーとしては、大きく分けて3つあります。

1. Qレプリケーション

 QレプリケーションはDb2が更新された際にかかれるDb2のログから差分更新を抽出し、MQを経由してターゲット側のデータベースに反映します。データソースへのCPU負荷が少ないことと、スループットに優れていることが特徴です。導入実績の豊富さと、導入運用のナレッジが蓄積されていることもあり、現在Db2 for z/OSをソースとしたレプリケーションを実装されている国内の多くのお客様に採用いただいています。

2. CDC

 次にCDCですが、Db2のログから抽出した差分更新のターゲット側への連携をTCPIP経由で行います。ソース側とターゲット側共に、多種多様なDBMSに対応できるのが特徴で、IMSからリレーショナルデータベースへのレプリケーションをするためのテクノロジーとしても使われています。

 Db2 for z/OSからQレプリケーション 、CDCいずれかでレプリケーションする場合に必要となる製品は、InfoSphere Data Replication for Db2 for z/OSです。レプリケーション先が分散プラットフォーム(Linux, Unix, Windows)の場合は別途、ターゲット側にもIBM Data Replicationが必要です。

3. Integrated Synchronization

 今年新たにData Gateの登場によって追加されたレプリケーション方式が、Integrated Synchronizationです。これはDb2 for z/OSからCloud Pak for Data上のDb2へのデータ連携に特化したテクノロジーです。前出のQレプリケーションやCDCと異なり、Db2 for z/OSで更新された情報を抽出してターゲット側に送るためのいわゆるキャプチャー機能がDb2 for z/OS本体の機能として包含されています。またこの処理はzIIPのオフロード対象となるため、zIIPがある環境の場合、レプリケーションの実装によりソース側にかかるCPUコストの殆どをzIIPにオフロードできるという大きなコストメリットがあります。

 今回、新たにIntegrated Synchronizationを実装できるData Gateがレプリケーションの選択肢として追加されましたが、既存のレプリケーション製品をリプレースする位置付けの製品ではありません。ぜひ、業務要件に合ったレプリケーション方式と製品を選択いただければと思います。