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データ分析者達の教訓#28-分析を迷走させないコツは正しい問いの設定と施策からの逆算

By YOICHIRO NISHIMAKI posted 06/28/26 04:10 AM

  

IBM Data PlatformでデータサイエンスTech Salesをしている西牧です。

このリレー連載ブログは第一線で活躍するデータ分析者に、データ活用を進める上で忘れられない教訓をインタビュー形式で伺い、これからデータ分析に取り組む皆様に参考にしていただくことを目的にしています。

今回インタビューをお願いしたデータ分析者は

Data Station株式会社の代表取締役である渋谷様にインタビューをお願いしました。

渋谷 直正 様
Data Station株式会社
代表取締役

-日頃のデータ活用業務について教えてください

現在は独立してデータ活用、CRMなどのアドバイザリー会社をしていますが、直近の2026年5月までJR東日本のデータマーケティング部署で仕事をしていました。SuicaやJRE POINTの会員データを分析し、CRMの実施やキャンペーン等施策の立案と効果測定、JRE POINT戦略策定などの業務に従事していました。
2019年~21年はデジタルガレージの執行役員CDOとしてデータを活用した事業立案、2010年ころ~2019年はJALにてWebログやJMB会員データを活用したOne to oneマーケティングをやっていました。
ほぼ20年にわたり一貫してマーケティング分野でのデータ分析に関わってきました。

-データ活用業務で味わった苦い経験を教えてください

一言でいうと、「分析のための分析」をしてしまったことです。分析はやり始めると楽しいので、どんどんのめりこんでしまいます。すると、「自分は何のために分析しているのか?」「この分析の結果を何に活かすのか?」を見失ってしまうことがありました。
例えば、満席の路線をリコメンドしようと予測モデルを精緻に作ってしまう(満席なのでこれ以上売れない!)。購入精度高く見込み顧客を予測できたけど、実は対象者が数人しかいなかった。顧客の趣味嗜好によってクラスターを20個も作ってしまったが、実際現場で運用できるのはせいぜい5個程度のクラスターが精いっぱいだった。退会者予測を行ったけど、肝心の「いつ辞めるか?」の情報を提示できていなかったので施策につなげられなかった。など、たくさん失敗してきました。

-その苦い経験から得られた教訓はなんでしょうか

「正しい問いの設定」(目的の設定)と、「意思決定・アクションにつながる分析」の2つが、何よりも重要だということです。これらが満たされていないと、どんなに高度で精緻な分析をしても、どんなにきれいな可視化をしても、単なる数字遊びの徒労に終わり、周囲からも「だから分析者は何もわかってないんだよ」とみなされてしまいます。
そしてこの2つは、いずれも「分析以前」の問題なのです。そのためにはデータに向き合うよりも、現場の人に話を聞いたり、ドメイン知識を付けたり、分析スキルとは別の能力(コミュニケーション力、行動力)が求められます。それらは生成AIでも代替できない分野なので、引き続き人間の分析者が行う必要があります。一方、分析実行そのものはますます生成AIなどで手軽にできるようになるでしょう。

-これからのデータ活用領域でのチャレンジについて教えてください

マーケティングに関わらず、分析することの面白さ、有用さをもっと広めていきたいです。どこの企業もデータはどんどん集まってきています。そんな中で「DXやらなくちゃいけないから」データ分析に取り組むのではなく、もっと前向きに楽しみながら多くの人に取り組んでもらいたいのです。嫌々やる仕事は面白くありません。
私は今まで多くの分析未経験者が、分析によって新たな事実がわかったり、施策が当たって成功したり、仮説が証明されたり、成果を上げて社内で称賛されたりして、楽しい!と感じている姿を目にしてきました。楽しい仕事は自ら進んでやるし、スキルも上達する。中には分析の楽しさ・有用さに目覚めてその専門職を選んだ人もいます。まさに分析が人生を変えてしまったように思えます。
幸い、分析のハードスキルは、ツールや生成AIで大幅に下がってきています。誰でもできるようになります。にもかかわらず難しそうとかつまらなそうと思って取り組めてない人がまだまだいるのが本当にもったいないと思うのです。そういう人(企業)たちに、自分の経験を活かしながら、分析の楽しさや有効性を伝え、企業を変えたり、自分の人生を変えるお手伝いができればいいな、と毎日思っているところです。

インタビューのお礼と感想

渋谷様ありがとうございました。 さて皆様、いかがでしたでしょうか?
今回のお話は、データ分析に関わっている人なら「あるある」とうなずいてしまう内容でした。つい分析そのものに夢中になってしまうけど、本当に大事なのは「何のためにやるのか」と「どう使うのか」。シンプルだけど忘れがちなポイントを、経験ベースで語っているのが印象的です。AI時代でも、人だからこそできる価値ってここなんだな、と改めて考えさせられました。

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→SPSS Modelerノードリファレンス(機能解説)はこちらから

→ SPSS Modeler 逆引きストリーム集(データ加工)

 

西牧 洋一郎

日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部 データ・AI・オートメーション事業部
IBM Data Platform テクニカルセールス
  

 

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