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アジュマーンが、完全デジタル化され人とサービスが繋がる社会へと進む取り組みを支援

By Shuma Ito posted Thu April 30, 2026 01:29 AM

  

(英文記事「Enabling Ajman’s journey toward a fully digital, connected society」の日本語訳です。)

本記事では、アジュマーン・デジタル庁(Department of Digital Ajman)が、
市民向けに迅速で持続可能なデジタルサービスを提供しながら、860万UAEディルハムという大幅なコスト削減をどのように実現したのかをご紹介します。
その成功の鍵となったのは、リアルタイム連携・自動化・データ可視化を中核とした統合基盤の構築でした。


市民や住民へのより良いサービス提供という絶え間ない課題

アジュマーンはUAEの中で最も小規模な首長国の1つでありながら、柔軟性と迅速な意思決定を強みとする、非常に機動力の高い首長国です。2017年、都市の効率化と住民の生活の質向上を目的として「デジタル庁」を設立し、デジタル変革への取り組みを開始しました。

その中核となるのが、「Ajman Service Bus(AJSB)」です。これは、地方自治体、連邦政府、民間企業をつなぐ統合基盤として、毎日数万件もの取引を支える重要な役割を果たしてきました。

しかし、この基盤には大きな課題もありました。
監査対応および7年間にわたる履歴データの保管のため、大量のデータを長期間にわたり処理・管理する必要があり、その多くが手作業に依存していたため、運用負荷が高く、効率的な拡張が難しい状況にありました。

さらに、ホスト型サービスに関する可視性が限られていたため、パフォーマンスの監視、運用の最適化、ペーパーレス化などの取り組みの効果測定は困難でした。
その結果、市民は書類の提出を何度も求められ不便を強いられていました。一方、意思決定層もサービスの品質、環境への影響、効率性や持続可能性の進捗をリアルタイムで把握することができない状況でした。
こうした背景を踏まえ、より高度な自動化、一元化されたデータ管理、そしてリアルタイムの可視化の必要性が明確になりました。

成果

  • 860万ディルハムのコスト削減
  • 1日50,000件以上取引をシームレスに処理
  • 処理時間を5分未満に短縮
  • ペーパーレス化により200万枚の紙を節約し、514本の樹木を保護


「IBM Event AutomationとIBM Cloud Pak for Integrationをアジュマーン・サービス・バス(AJSB)内で活用することで、政府機関間の安全なリアルタイムデータ共有を強化し、AJSBをコネクテッドサービスの戦略的な基盤へと変革しました。これにより、断片化された統合から、データがシームレスに流れ、洞察に基づいた意思決定が行われ、サービスがプロアクティブに提供される、イベント駆動型の統合エコシステムへと移行することが可能になりました。このプラットフォームは、コンプライアンス、相互運用性、そしてアジュマーンの2030年デジタルビジョンを支える、拡張性と回復力に優れた基盤を提供します。IBMとのパートナーシップを通じて、統合を強化するだけでなく、アジュマーン全体でデータ駆動型のコラボレーションを制度化しています。 」
Dina Fares, Executive
Director of Digital Transformation
Department of Digital Ajman

アジュマーン全域で、拡張性と接続性に優れたデジタルエコシステムを構築

IBMは戦略的パートナーとして参画し、専門知識を提供することで、アジュマーンのデジタル基盤強化を支援しました。両社は協力して、運用上の複雑さを簡素化し、リアルタイムの可視性を向上させ、拡張性の高い基盤の構築に注力しました。
これを実現するために、IBMとアジュマーン政府は、接続されたリアルタイムのデジタルプラットフォームを導入しました。

  • Red Hat OpenShiftは、アプリケーションやワークロードをホストするための拡張性と回復力に優れたクラウドネイティブ環境を提供した。
  • IBM Cloud Pak® for Integrationは、政府機関全体で統合されたシステム、アプリケーション、データを導入し、断片化されたワークフローを置き換えました。
  • IBM Event Automationは、リアルタイムイベント配信と処理の技術基盤を構築しました。ストリーミング基盤は、大量のデータ処理を効率的に処理し、RAWデータを実用的なインサイトへと変換しました。


これらの機能を基に、プラットフォームは中央集約型ダッシュボードなどの社内イニシアチブをサポートし、関係者にサービスパフォーマンスと運用指標の包括的なビューを提供しました。イベント自動化とイベント処理から得られる知見を活用することで、チームは有効性を監視し、運用を戦略目標に合わせ、市民に対してより迅速でアクセスしやすく、個々のニーズに合わせたサービスを提供することができました。

しかし、この変革は技術面にとどまりませんでした。IBMのチームは、統合プラットフォームが業務目標と戦略目標にシームレスに適合するよう、当該部署と緊密に連携しました。この連携により、地方自治体は統合サービスパッケージを展開できるようになり、各チームは最も重要なこと、つまり市民へのサービス提供とシームレスで卓越したデジタル体験の提供に集中できるようになりました。

より環境に優しく、スマートな解決策で前進するための明確な道筋

手作業による断片的な業務から、より自動化され透明性の高いサービス提供モデルへと進化しました。政府機関は、リアルタイムでデータを把握、活用できるようになり、サービスの管理と提供方法が大きく変革されました。

可視性が向上したことで、チームはレポート作成を自動化し業務を効率化しました。その結果、タスク処理時間は5分未満に短縮され、1日5万件以上の取引を円滑に処理することが可能になりました。

こうした業務効率の向上は、市民体験の向上に直接結びきました。統合されたサービスにより、部署間の重複が削減され、同じ書類の繰り返し請求がなくなりました。

また、紙の使用量を削減することで、同部署は2025年だけで200万枚の紙を削減し、514本の木を保護したことで環境負荷の低減にも大きく貢献しました。


まとめ

本事例は、単なるシステム導入ではなく、データを中心に据えた“つながる仕組み”を構築することで、行政サービス全体を変革できることを示しました。
リアルタイム連携やイベント駆動といった仕組みを取り入れることで、これまで分断されていた業務やデータが一つにつながり、結果として業務効率の向上だけでなく、市民体験の改善や環境負荷の低減といった複数の価値を同時に実現することができました。
特に、「持続可能で市民中心のサービス」を実現している点は、今後の行政DXにおいて重要な指針になると感じました。

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